200. 分かち書きの勉強を始めました。
- 2018年08月09日
- その他
「分かち書き」とは、組版・DTP的には、ひらがな中心の文章を、文節と文節との間等を1字分あけて組むことです。幼児や小学校低学年の児童が読みやすく、文章をつかみやすいものにするための表記法です(漢字かな混じりの一般的な文章では使われません)。小学1・2年生の教科書や児童書、絵本などで見られます。
分かち書きするべき文節の区切りは、文章の途中に「~さ」や「~ね」をいれても不自然にならないところ、という説明の仕方があります。また、かつてのかな漢字変換では、おおむね文節ごとに変換キーを押していたものです。日本語ネイティブであれば、なんとなくは分かるものの、実際に自分で分かち書きする箇所を指示するとなると、基本的なルールを理解・体得するためにも、日本語の文法をそれなりに勉強し直さなければならないようです。自立語・付属語、体言(名詞、固有名詞・代名詞・数詞も)・用言(動詞・形容詞・形容動詞)、副詞・連体詞・接続詞・感動詞、助詞・助動詞、接頭語・接尾語、複合名詞、複合動詞、補助動詞、補助形容詞などなど……。
また、AI時代のいまどきは、「分かち書き AI」で検索すると、「形態素解析(けいたいそかいせき、Morphological Analysis)」という聞きなれない専門用語がヒットします。形態素解析とは、自然言語を、文法や辞書データによる単語の品詞情報をもとに、文章を形態素(単語が意味をもつ最小の単位;分かち書きの文節よりも細かくなる)に分解し、分解した形態素の品詞の種類・活用形の種類などを解析するプロセス、という感じでしょうか。検索エンジンやAI(人工知能)の自然言語処理の過程等で使わる技術とのことです。その技術を使い、任意の対象文字列を品詞ごとに分解・解析するツールがWeb上にいくつかあります。
分かち書きの例文をたくさん見るには、小学1年生のこくご教科書等が最適です。ひとつひとつの文節をみて、なぜ、そこで分かち書きしているのかを、単語ごとに品詞や文法を調べていくと、ルールの理解に役立ちます。
◆勉強の資料&ツール
1.分かち書きの仕方『表記の手引き 第七版』教育出版、東京、2017
2.日本文法概説『広辞苑 第五版』岩波書店、東京、1998
3.「分かち書き(形態素解析)」ツール、WELLHAT, INC.
4.ごくご一上、光村図書、平成27年度版
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