62. JIS2004字形で校正・校閲の負担軽減
- 2014年11月10日
- その他
組版依頼時にテキスト入稿したとしても、あがってくるゲラでは漢字の字体は原稿作成・編集時どおりにならない、または各出版社指定の正字にはならないことは、よくあること・仕方のないこととして編集や校正・校閲の仕事をする方々は、それを前提として長い間仕事をされてきたかと思います。80年代~90年代は、ワープロ専用機やPCで文字入力し、電算写植やDTPで組版していましたが、機械毎にJIS78字形()・JIS83字形()が混在していました。00年代~現在は、おもにWindows PCによる文字入力&Mac/WindowsのDTPで、JIS90字形等()とJIS2004字形()が混在しています。 |
Windows Vistaおよびフォントメーカーの対応で、JIS2004字形に関するアナウンスがされた時(2007年頃)も、「また変わるのか」と思いました。しかし、Windows XPがビジネスの世界からはなくなりつつある現在、文化庁の国語審議会が答申した「印刷標準字体」の文字の形に沿ってデザインされたJIS2004字形のフォントを使うことにより、やっとすっきり仕事ができる環境になってきたのかもしれません。各出版社様で、細かいルールは違うかもしれませんが、書籍等では表外漢字は正字と呼ばれる字体を使うことになります。それをいままでは、校正・校閲のタイミングで正すスタイルで仕事が進められてきましたが、著者や編集者の方がテキストデータを作成・編集する段階で入力した文字が、そのままDTP(=書籍)で使われる文字(字体)にできるので、校正・校閲の負担を少し軽減することも可能になります。
① JIS2004字形のOpenTypeフォント(Windows 7, 8)で原稿作成をする。
* | XP互換の古いフォントをインストールしていなければ、Windows Vistaでも可。 |
* | 「MS ゴシック & MS 明朝 JIS2004 対応フォント」をインストールしていれば、Windows XPでも可。 |
JIS2004字形のフォントかどうかは、以下の漢字で確認する。JIS90字形のOpenTypeフォントもあるので注意が必要。
② 組版指定で、「JIS2004対応フォント使用」と指定する。
このあたりのことを認識している編集者様は、組版指定の際に「JIS2004対応のNフォント使用」と指示されてきます。Windows 7のWord 2007(拡張子が.docx)で入力した文字が、そのままInDesignでも組版されるのは、当たり前のことのようにみえますが、今まで(四半世紀!以上)のことを思うと、感慨深いものがあります。
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