79. 図版の作成


専門書の書(モノクロや2cでは、グラフ、フローチャートや概念図等の図を、トレースまたは手書きのラフ原稿やグラフ用数値データから図版を起こして掲載することが多いようです。同じ学術系でも、紀要などでは、執筆者がExcelやPowerPoint等で作成したものを画像化して、そのまま使うこともあります。

ExcelやPowerPoint等で細かい調整をされずに作られた図と、組版の現場で作図するものでは、どのへんに違いがあるのでしょうか。簡単なもの、複雑なもので作業時間は変わりますが、それなりのコストをかけて作り直すのですから、図版の見栄えに違いが求められます。読みやすくするために「すっきりしている「統一感があるように組版指示がされることが多いように感じます。

図版作成の組版指(例)
使用フォント:2種程(太いゴシック&中ゴシック等)
文字サイズ:本文より少し小さめを基本サイズとし、計2、3サイ(強調部分を大きくする、または注釈部分を小さくする)
罫線:太さを統一す(基本は0.1mm等。強調部分を太くすることもある。

好みや慣れの問題かもしれませんが、罫線の太さを統一し、文字サイズを統一するだけで、見栄えがすっきりとしてきます。

トレースの場合でも、フロー図などで囲み罫を使う場合、中に入る文字は枠の左右センターにする、縦横の枠の並びを水平垂直に揃える等のことにも気を使います。グラフでは(指示により補助線を消したり、凡例の表示位置を調整したりして、スペースの節約や見栄えの調整を行います。

もちろんExcelやPowerPointで「すっきりしている「統一感があるグラフや図を作成することは技術的には可能ですが、少しめんどうな作業ノウハウとセンスが必要になりそうです。それを生業としているところで、慣れた道(Illustrator等で作った方が、早く安くできるかもしれません。

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