97. 割注の文字サイズ


“割(わりちゅうは、昔よく使われた組版スタイル、または、タテ組みの専門書に多いようなイメージがあります。組版の現場では、タテ組み・ヨコ組みとも“割注”のある案件はほとんどないのですが、新刊書を読んでいて2つの事例を見かけました。

《事例1:直○賞受賞・小説》文京区の老舗K社刊
本文文字サイズ:13Q
割注文字サイズ:6.5Q(5ポより小さい!)

《事例2:翻訳モノの小説》新宿区の老舗S社刊
本文文字サイズ:9(約13Q)
割注文字サイズ:6(約9Q)

文字サイズが7Q未満の文章は、老眼が始まっている?目には、かなり厳しいものがあります。逆に、文字サイズが6(約9Qもあると、興味がある項目については、読んでみようという気が起きそうです。

InDesignでは割注の文字の大きさは「本文の文字サイズの何パーセント」と設定します。既定値の50%では、文字が小さいと感じる場合は大きくすることを検討してもよいかもしれません。ただし、1頁の行数が多いも(行間が狭いもの、ルビが付く漢字が多いものでは、割注2行分が本文文字サイズより大きくなると、割注とルビが衝突するリスクも増えて、文章で調整が必要になることもありそうです。

◆InDesignの「割注」設定画(規定値)
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*“割注”とは……本文中の語に直接注釈をつける場合の組み方。対象となる語の直後にパーレンで囲み、本文より小さい文字で複数(ほとんど2行で注釈の文章を付けるもの。割注が2行にまたがる時は、行末で一度折り返し、次行先頭よりまた文章を始める。InDesignでは「改行オプション」で、1行目最小文字数と最終行最小文字数を設定できる。

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