148. 誤解を招く?書体の指示
- 2016年12月02日
- 校正
「書体の指示」は、校正で使うことの多いもののひとつです。しかし、単純に強調のゴシック体を「明朝に」という指示でも、いろいろな表記が使われます。ときどきユニークなものに出会うこともあります(「M朝」というものも)。その中で、修正作業する人や場面によっては、勘違いをされかねない表記を見かけることもあります。
◆「Mに」
出版物の校正で、文字のところに「Mに」と書かれた場合、以下の3つの意味の可能性があります。
①「明朝」に
②「マゼンタ」に ※CMYKの“M”
③「ウェイトM」のフォントに(例:新ゴRを新ゴMに)
ほとんどは、今までの経験やまわりの状況から
「書体の指示」は、書きやすくかつ確実に伝わるものが効率的です。ただし、「明朝に」と漢字で書くのは、画数が多く大変で、合理的ではありません。強調のゴシック体を本文書体にしたい場合は、JISで定められる校正記号の「ミン」や「○明」か、「ナミ字に」等が適切であるはずです。
JIS Z 8208:2007(印刷校正記号)では、「表2 修正の指示及び組版指定に用いる併用記号」書体の指示(2.1.2)で、上記のような明朝やゴシックにする記号が示されています。また、その“記号で指示できない場合は、「正確なフォント名」で指示する。”と注意書きされています。あわせて、見本組の時に基本的な要素については、フォント名や文字サイズ等の組版指定を明示した、組版や校正の関係者がすぐに閲覧できるフォーマットを作成しておくと、誤解なく作業が進行できます。
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