168. 原稿を左側に、校正紙を右側に置く
- 2017年06月19日
- 校正
引き合わせ校正をする時には、原稿や初校校正紙などの赤字が入っているモノを左側に、新しい校正紙は右側に置くことが基本と考えます(右手で書く場合)。これを、元々どこで習ったのか?と考えてみると、1988年頃の日本エディタースクールの校正コース(夜間)で、かもしれません。
しかし、その基本を教えられていないで、原稿と校正紙を反対に置いて作業している場面を、何度も見かけたことがあります。その都度、「右利き?」と聞いてから、基本がどうで、そうする理由を伝えます。
基本:「原稿を左側に、校正紙を右側に置く」
引き合わせ校正は、左手ひとさし指で原稿の文字と赤字を追いつつ、右手にもったペン先等で校正紙の文字を点検していく、という作業になります。
◆ | そうする理由 |
間違いを発見したときには、右手に持っている赤ペンですぐに訂正を書き込めます〔また、原稿を追っている左手の指は、間違いを発見した(校正が終わった)文字のところに留めておけば、どこまで見たのか分からなくなることがありません〕。 |
基本とは逆に、右側に原稿を置いて右手で赤字を追っていると、左側にある校正紙に右手で訂正の赤字を記入するには、右手を左側に移動する必要があります。その際に、間違いを見つけた箇所から手を放してしまうので、文章がどうなっているのが正しいかを再度確認するときに少し手間取り、誤認も起きやすくなりそうです。また、右手で文章を追っている箇所から手を放してしまうので、(印をつける等ができないと)どの箇所まで確認したかも分からなくなりそうです。
大量の赤字(修正指示)の引き合わせ校正を行う際には、1回1回では小さな違いでも、「チリも積もれば」で、校正時間に大きな差が出てきます。きちんと基本の「型」ができていれば、校正の質も安定するはずです。
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