167. 英文組版のポイント
- 2017年06月09日
- 組版・DTP
組版の現場では、語学書の例文等を除き、英文だけの組版をする機会はそれほど多くはありません。メーカー様の会社案内、アニュアルレポート、CSRの英文版等くらいでしょうか。それらは、IllustratorやInDesignでデザインフォーマットが支給されて、DTPで割り付け作業を行うような案件です。
普段、指定に従って組版の仕事をしていると、急に何もないものに出くわすと、少し戸惑うことがあります。具体的な指定や支給フォーマットデータがない時に、少しでも見栄えや可読性がよくなるように、はじめに押さえておきたいInDesignでの「英文組版」のポイントを4つ紹介します。
① | 英文のみの組版では、「欧文コンポーザー」を使う。 日本語コンポーザーでは、文字間(単語内)でもアキの調整が行なわれ、英単語がバラけやすく、可読性・見た目が損なわれることがあるためです。欧文コンポーザーでは、単語間のアキ(スペース)での調整が優先されます。 ※あわせて、 などが「合字」となってよいかを必要に応じて確認する。 |
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② | 行末を揃えるか/揃えないか(両端揃え/ラグ組・ラギッド組) | ||
③ | ハイフネーション有/無か(行末を揃える場合は、ハイフネーション有が多い)。 | ||
③´ | ハイフネーションの設定を調整する。→[コラム23参照] | ||
④ | 行頭の字下げ、インデント(どれくらい?)する/しない。 字下げをしないの場合は、段落行間を“プラス半行”程度あける。 |
英文組版を見る経験が少ないと、行頭のインデントはどれくらいが適切か、という感覚もわかりません(→印刷物のコピー等の組見本を提示して頂ければそれに合わせます、とできればよいのですが)。日本語組版の「行頭1字下げ」のように、口頭でもさらっと伝えることのできるスタンダードがあるとよいのですが。身近にある英文の印刷物を見る限りでは、「大文字Nを2文字分くらい」(≒全角の1.5倍)下げ、「全角の2倍」下げ、あたりで考えればよいのでしょうか。
~おまけ~
英文組版では、「最初の段落(章・節の見出しや小見出しの後)では、行頭のインデントをしない(ただし、2段落目以後では、行頭のインデントをする)」という流儀があります。日本語組版では、あまり見ないものなので、原稿や指定で具体的に指示をすると、間違いがありません。
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