167. 英文組版のポイント


組版の現場では、語学書の例文等を除き、英文だけの組版をする機会はそれほど多くはありません。メーカー様の会社案内、アニュアルレポート、CSRの英文版等くらいでしょうか。それらは、IllustratorやInDesignでデザインフォーマットが支給されて、DTPで割り付け作業を行うような案件です。

普段、指定に従って組版の仕事をしていると、急に何もないものに出くわすと、少し戸惑うことがあります。具体的な指定や支給フォーマットデータがない時に、少しでも見栄えや可読性がよくなるように、はじめに押さえておきたいInDesignで「英文組版のポイントを4つ紹介します。

英文のみの組版では「欧文コンポーザーを使う。
日本語コンポーザーでは、文字(単語内でもアキの調整が行なわれ、英単語がバラけやすく、可読性・見た目が損なわれることがあるためです。欧文コンポーザーでは、単語間のア(スペースでの調整が優先されます。
※あわせて など「合字となってよいかを必要に応じて確認する。
行末を揃えるか/揃えない(両端揃え/ラグ組・ラギッド組
ハイフネーション有/無(行末を揃える場合は、ハイフネーション有が多い
´ ハイフネーションの設定を調整する。→[コラム23参照]
行頭の字下げ、インデン(どれくらい?する/しない。
字下げをしないの場合は、段落行間“プラス半行程度あける。


英文組版を見る経験が少ないと、行頭のインデントはどれくらいが適切か、という感覚もわかりませ(→印刷物のコピー等の組見本を提示して頂ければそれに合わせます、とできればよいのですが。日本語組版「行頭1字下げのように、口頭でもさらっと伝えることのできるスタンダードがあるとよいのですが。身近にある英文の印刷物を見る限りでは「大文字Nを2文字分くらい(≒全角の1.5倍下げ「全角の2倍下げ、あたりで考えればよいのでしょうか。

~おまけ~
英文組版では「最初の段(章・節の見出しや小見出しの後では、行頭のインデントをしな(ただし、2段落目以後では、行頭のインデントをする)」という流儀があります。日本語組版では、あまり見ないものなので、原稿や指定で具体的に指示をすると、間違いがありません。

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