23. 欧文組版でのハイフネーションの設定
- 2014年01月31日
- 組版・DTP
すべて欧文のもの、欧文の部分がまとまってあるものを組版するとき、DTPソフトの初期値のままハイフネーションすると、少し見栄えや可読性の悪い組版になってしまうことがあります(特に、判型が小さく行長が短いもの、2段組み等)。少しハイフネーションの設定を調整するように指示しておくと、よりよい組版になります(また、別途「ハイフネーションをまったくしない」という選択肢もあります。その場合、行末を揃えないラグ組か、両端揃えにする場合でも行長が長ければスペース等で調整して組版することもあります)。
《ハイフネーション設定》
以下のようなハイフネーションを校正時に見かけたら、以下の4項目の調整を検討するとよいかもしれません。
1. | 2. | 3. | 4. | |||
5文字の単語がハイフネーション | 行末2文字でハイフネーション | ハイフネーションして、行頭は2文字 | ハイフネーションが2・3行続く | |||
af- | re- | expand- | pro- | |||
ter | covery | ed | pos- | |||
vi- | constant- | |||||
sion | ||||||
1. | 何文字の単語からハイフネーションするか(5文字)→ 6文字または7文字 |
文字数の少ない単語もハイフネーションされることが気になるようなら、最小文字数を+1または+2文字とする。 | |
2. | 行末に最低何文字残してハイフネーションするか(2文字)→ 2文字または3文字 |
初期値のままか、re・covery、be・couse等が“・”のところで、細かく切れるのを避けたいのなら、+1文字とする。 | |
3. | 行頭に最低何文字の位置でハイフネーションするか(2文字)→ 3文字 |
初期値だと単語の最後が-edとなっているものなどもハイフネーションされることがあります。細切れで見栄えや可読性が悪くなります。 | |
4. | ハイフンネーションが続いてよい行数(3行)→ 1行または2行 |
日本語の組版で行頭に音引きが連続して並ぶと見栄えが悪く感じるのと同様に、欧文の組版で行末のハイフネーションが連なると見栄えや可読性を損なうようです。 | |
※( )内はInDesign CS4の初期値、→ 後の文字数にするかどうか検討。
《その他の設定》
・ | 大文字の単語をハイフンで区切る(区切らない) |
人名等の「固有名詞はハイフネーションしない」という考え方があります。大文字で始まる単語をハイフンで区切らないように、設定できるレイアウトソフトもあります。 | |
・ | 段間、フレームにわたる単語をハイフンで区切る(区切らない) |
欧米で作成されたレイアウトファイルを流用すると、段や頁の最終行のハイフネーションを「しない」設定とされていることがあります。その段落に修正がないのにもかかわらず、ハイフネーションしていた行が段や頁の最終行に来ると、ハイフネーションされずに行末の字切りが変わる!ということが起こります。この機能(設定)を知らないと、文字校正しているときに少しビックリするかもしれません。 | |
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