179. 文字をアウトライン化する習慣
- 2017年11月29日
- 組版・DTP
今でも、書籍のカバー・表紙・帯の書名・著者名・コピー文書や、学習参考書などで貼り込む図版等の支給aiデータのネームの文字がアウトライン化されていることがあります。
使われるフォントが通常の明朝やゴシック等の普通に使われるフォントで作られているのにもかかわらず、文字をアウトライン化するという行為は、もはや今までの習慣のまま“なんとなく”行っている、というものも中にはあるように感じます。文字化け等の不具合が発生するリスクは、それほどある訳ではないはずなのに、アウトライン化されているデータは、その後の修正で不都合の元となることがあります。
ただし、文字をアウトライン化することは時代遅れで、すべて不必要、というわけでもないのが、悩ましいところではあります。こんな場面では、確かに、文字をアウトライン化しておかないと、出力トラブルが発生?!することがあるようです。
● | (一般的なライセンス契約のものではない)特別なデザインフォントを使用している。→出力側でフォントを持っていないので、文字をアウトライン化してデータを再入稿してください、と依頼がきます。 |
● | デザインとして文字にすこし複雑な効果を付ける場合。 |
● | 海外にPDFデータを送付して、面付け・出力・印刷を行う(どんな環境か不明な場合等)。 |
● | 国内であっても、オフセット印刷・UV印刷以外のパッケージや封筒等、今でもイラレをベースとしたような、特殊な面付けソフトを使っている(かもしれない)ところにデータを送付する。 |
文字をアウトライン化したDTPデータは、国内の主要メーカーのRIP環境(Adobe PDF Print Engine系)でCTP出力を行っていると想定できるところに、aiデータを支給する際には、出力トラブルのリスクよりも、後々の不都合(出力直前や再版時の直しに迅速に対応できない)が大きくなっている場合もあるのではと感じます(出力側の見解ではありますが)。
特に、再版が想定される出版物では、近い未来・遠い未来にも、修正時の不都合が発生する可能性が潜んでいます(アウトライン前とアウトライン化の両方のデータを保存するというのも、どちらが最新データか等の、データ管理上の煩雑さがあります)。
~おまけ~
SCREEN製のRIPが作成する“アウトラインPDF”は、大きく分けて古い形式のものと、新しい形式のもの(アドバンス)の2つがあり、印刷会社によっては、新しいものへの対応が異なる(できる/できない)場合が、まだあるのかもしれません。入稿時に確認が必要になります。
また、使用するRIPによって、どちらのアウトラインPDFが作成できるか、ラインが決まってしまうという場合もあります。
・ | 古いPostScriptを介するRIP➩古い形式のアウトラインPDF(OutlinePDF) |
・ | 新しいPDFフローのRIP➩新しい形式のアウトラインPDF(OutlinePDF-Advance) |
また、新しい形式のアウトラインPDFは、文字がアウトライン化されて
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