184.「AP-OTF」とペアカーニング
- 2018年03月05日
- その他
組版の現場で、「Pの付いたフォントが……」という会話が聞こえてきました。マイクロソフトのMS P明朝などのPは、プロポーショナルの略だったはずです。モリサワのフォント名についているPは、「ペアカーニング」の意味のようです。
“ペアカーニングとは、特定の文字の組み合わせ〈ペア〉で動作する、文字詰め機能〈カーニング〉のことです。”「AP-OTF」フォントは、既存のプロポーショナルメトリクスの情報に加えて、隣合う特定の文字の組み合わせごとに設定された文字詰め情報(ペアカーニング情報)に基づき、より最適な詰め組を行うことができるフォント、ということのようです。
検索してみると、2017年09月28日「モリサワ2017年新書体の提供開始日時を発表」のプレスリリースに、以下の*注意文(下線は筆者)がありました。
【丸ゴシック体】
秀英丸ゴシック L [Std/StdN]*
秀英丸ゴシック B [Std/StdN]*
*すでにリリースされているA-OTF版に加え、和文・欧文ペアカーニングと最新IVSに対応したAP-OTF版を提供します。
◆ためし組
※見本組はA P-OTF 凸版文久見出明 StdN EB(モリサワ)による
2014年8月のプレスリリースなどでは、“「リュウミン」や「新ゴ」をはじめとする既存のモリサワフォントについても、順次「AP-OTFフォント」としてリリースしていくことを予定しています”、とあります。まだ、リリースされている「AP-OTF」フォントは多くないようですが、近い将来には、InDesignの設定や内校正で、日常的に注意が必要になる日がくるのかもしれません。
参考:モリサワ、フォント用語集より
・ペアカーニング情報を活かした文字の組み方(InDesignとIllustratorでの設定)
・AP OTFとペアカーニングについて、AP OTFのメニュー表
・ベタ組み・プロポーショナルメトリクスとの違い
・ペアカーニング、プロポーショナルメトリクス、GPOSテーブル
※このコラムおよび、コラム中の文章、画像、動画の無断転載および複製等の行為はご遠慮ください。