45. ノド側のノンブル(隠しノンブル)
- 2014年07月04日
- 組版・DTP
大手出版社様の写真を中心とした書籍の案件で、ノド側の仕上がり内1~2mmのところに通常よりも小さいノンブル(ページ番号)を入れたものを見かけました。今までも、まれにノド側にノンブルが付けられた案件を見たことはありますが、このようなものを単なるデザインかなと思っていました。
“ノド側 ノンブル”で検索してみると、同人誌や漫画等でこのようなノンブルを付ける流儀があるようで、それが「隠しノンブル」と呼ばれているようだということを伝えると、長年この業界(組版、印刷、製本)で仕事をしている方々に「へー」をたくさんいただきました。
この隠しノンブルですが、ノド側のどこに入れるかは、いろいろ種類があるようです(ノド側の天地センター等も)。今時は、従来より開きやすいPUR製本なんていうものもあります。製本方式との兼ね合いを考えないと、見せないつもりが見えてしまう、なんてこともあるかもしれません。
組版の現場の界隈で、「隠しノンブル」とは、以下のような処理をしたところのものを言っています。
・写真・図版等がノンブルの位置までかぶってしまうページに、ノンブルを入れない(隠す)。
・奇数ページ起こしで章扉等を付ける場合、その章扉や前後の白ページに、ノンブルを入れない(隠す)。
・校正紙を出力する際に、仕上がりの外側に便宜的にノンブルを付けること。
ノンブルは、元来、印刷・製本の加工時に必要なものであったはずです。その後、目次や索引から該当ページを検索する用途に使われるようになったのでしょうか。今時のデザインでは、一般的な地の小口または左右センターや天の小口側だけでなく、小口側(天地センターあたり)などにも、ノンブルが付けられているものも見かけます。慣れの問題だとは思いますが、組版・校正作業時に、いつもある場所にノンブルがないと戸惑うことがあります。
※このコラムおよび、コラム中の文章、画像、動画の無断転載および複製等の行為はご遠慮ください。