261. スペースキーで見た目を整えています


「スペースキーで見た目を整えるのはやめなさい」(技術評論社)というタイトルの書籍を見かけました。Word・Excelの使い方のノウハウを教えるための書籍のようです。

その独特なタイトルに惹かれてしまいました。ワープロ専用機時代(1980-90年代)から、組版の素材として提供されていた、このスペースキーで見た目を整えた文書データに手間取ってきた経験によるのでしょう。そのままでは体裁の整った組版をすることができないので、箇条書きなどの行頭に入れられた余計なスペースを削除しつつ文章を繋げていく、地道な作業を行っていました。

しかし、そのタイトルに賛同するばかりではありません。現在の自分の日常を振り返ってみると、Eメールやチャット(Teams)では、単純な書式機能(字下げや箇条書き)をわざわざ使わずに、ちゃちゃっと文書を作成する機会が多くなっています。Shift+Enterで改行位置を調整し、行頭はスペースキーで見た目を整えている現実。退行しているのでしょう。

メールやチャットなどでは、すばやく簡単に文書を作成することが肝心です。そのためには、スペースキーで見た目も整えます。文書をきちんと読んでもらって、大事な部分を伝えるために体裁を整えるノウハウも、まだ必要とされるのかもしれません。

・タイトルは少し文字を大きくして太字にする。

・1行の長さは20~30字程度に(字切りも気にしつつ適宜改行)。

・1文を短くするよう心掛ける。

・強調するところは太字下線とする。

・要点は箇条書きにする。 など

ただし、DTPで組版をする素材としてのWord文書では、「スペースキーで見た目を整える」やり方は今でも後工程の手数を増やすことになる(予算が上がり、納期が遅れる要因となる)ので、ご法度です。

 

~おまけ~

「扨、」

さて、文頭にあるこの漢字が読めませんでした。この接続詞で、変換キーを押す方がご自分でパソコンを使っている、ということが凄いことなのでしょう。

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