56. 漢数字←→洋数字に変換
- 2014年09月26日
- 用字用語
組版の現場では、入稿データや朱字のとおりに組版・修正作業を行うことが多く、作業者がどのように修正するかと悩むことはそれほどありませんが、以下の例のように「すべて何数字に変換」という指示の場合は、漢数字・洋数字の使い方の理解が必要になることがあります。
漢数字を使うものとして思い浮かぶものに縦書きカード式の挨拶状があります。その原稿またはテキストデータが横組み・洋数字(アラビア数字)で作られていて、「数字はすべて漢数字に」と指示があると、組版を行う前に原稿整理が必要になります。2014年12月25日を漢数字にする場合、一般的には、二〇一四年十二月二十五日とします。西暦には、千百十の単位語を入れない表記が一般的です。ただし、平成26年の場合は、平成二十六年と、「トンボ十」を入れた表記の方が一般的になります。
また、60周年を漢数字にする場合は「六十周年」と「六〇周年」の2つのパターンが考えられます。デザイン上の見た目で、十ではなく〇が選ばれることもあるからです。縦組みの原稿には、縦書きのテキストデータを作成して入稿する方が理にかなっています。
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法令等の文書では漢数字が多く使われています。Webで公開されているものは漢数字のままですが、これを横組みで組版・出版する場合は、漢数字のままでは読みにくいという理由で、洋数字にすることがあります。大量にでてくる漢数字を一つひとつ洋数字に打ちかえていくとなると、作業時間が膨大になるし、かつ確認作業が煩雑になるので、Wordのマクロのお世話になって一括変換するようにしています。
ただし、よくできたマクロであっても、変換対象とならなかった漢数字や、日本語の表記では横組みでも漢数字で書くべきものもあるので、マクロで変換されすぎてしまった部分を確認し、整理する作業が必要になります。
◆横組みでも漢数字を用いるもの
【例】(実際の法令等では使われることのない文言も含まれるかもしれません)
・成句・熟語など:一酸化炭素 七輪 十字路 一番大きい
・概数を表すもの:数十日 四五日 二三の
・数量としての意味が薄い言葉を表すもの:一時的 一部分 十分に
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