67. あおり校正・あおり検査
- 2014年12月15日
- 校正
組版の現場では、引き合わせ校正の後等に、ざーっとあおり校正を行うことがあります。主に注意するところは、直す必要のない部分の文字・スタイル等が変わっていないか、行頭・行末の文字が変わっていないか意識しつつ、行の増減により組版上の不都合(行がリフローしていないか、行が追い込まれて見出しが最終行に来ていないか等)が生じていないか等です。以前、辞書作成の現場のドキュメンタリー番組で、同じようにあおり校正をしている映像をみたことがあります。
この校正・検査方法には、「パタパタ」、「パラパラ」、「ペラペラ」等、色々な擬音系の呼び名もあるようです。
この校正を行うためには、校正紙は常に「原寸」で出力されていることが必要です。
Acrobat Professional(バージョン6か7で)で2ファイルを同時に開いた上で、「Ctrl+TAB」で画面切り替えしながら画面上のあおり検版をこよなく愛している担当者もいます。
この検査方法は、人間の目視によるアナログ検査であるからこそ、いろいろな発見もあるのですが、新旧のPDFファイルで同じようなこと、行の増減がある場合もある程度文章のかたまりで比較を行ってくれるものがあるようです。価格はそれなりに張るものですが、今後、組版の現場でも使える可能性があるようなら導入を検討してみてもよいかもしれません。
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