68. 校正記号:字間の調整(空ける、詰める)
- 2014年12月25日
- 校正
組版の現場に届く原稿や校正紙で、まれに字間の調整の校正記号が正しく使えていないものを見かけることがあります(印刷校正に慣れていない著者の方の赤字でしょうか)。
《記号》
空ける記号は、(物を割る時に使う)くさびのような: |
詰める記号は、(物を挟むときの)2本の指の形のような: |
JIS規格(印刷校正記号)では、字間の調整として、以下3項目が規定されています。
すでに空いている字間を「3.字間の空き量を指示する」で変更する場合、①変更した結果を示す方法と、②変更する空き量を示す方法があります。
①結果を示す方法:空き量を示す記号の後ろに「アキニ」と示す。
②変更する空き量を示す方法:「アト……アケ」または「アト……ツメ」と指示する。
今のJISの規程では、すでに空いている字間を詰める指示をする場合、ただ詰める記号( )のみを書くのではなく、ベタにする、あるいは空き量を具体的に指示する、のどちらかを示す規定となっています。特に、見出しなどで全角以上空いている場合は、詰める記号のみだと、どのように詰めるのか迷う場合があります(具体的な空き量の指示がなければベタにすることが多いと思われます)。 |
また、日本語の組版(両端揃えの場合)では、空いている字間をベタ組にと指示する場合、どの文字をどのように移動してベタ組(または、ベタ組に近づける)のか、具体的な指示が必要な場合もあります(参照→ 12. 字間のアキの修正指示)。
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