83. たて組みの原稿は縦書きで入力
- 2015年06月05日
- 組版・DTP
組版の現場では、生原稿の文字入力から組版作業を行う場合があります。(たとえ原稿が横組みの印刷物であっても)たて組み用の文字入力を行う場合は、word等でも文字列の方向を“縦書き”にして入力作業を行います。たて組みのルールを頭の中でシミュレートしつつ横書きで入力するよりも、組版方向と同じにして入力する方が合理的です。
明確な組版ルールの指定がないまま初校を組む場合は、見本や前例等にならって、数字や欧字の部分を全角で打つか、半角で打つか、単位記号(cm、kg)を全角モノとするか等、判断すべき内容をイメージしながら入力できます。
よこ組みでは欧字で表記することが多いものも、たて組みでは欧字を横向きに寝かせて配置するより、カタカナ表記の方が読みやすい用語もあるかもしれません(例:Illustrator → イラストレーター)。また、出版社、書籍によっては、欧字を全角で1字1字縦向きに配置することも、まれにあります。
4字程度のアルファベットの頭文字をつなげて造られた略語(頭字語:DTP、OECD、NATO等)は、たて組みでは縦向きに配置することが多いのですが、「北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty Organization; NATO)」のような文章に遭遇すると、NATOの部分のみを全角で縦向きに配置するのは、“漢字たて→欧文よこ→略語たて”、と配置するのは少し違和感があります(どう配置するか、具体的な指示がほしいところです)。
原稿整理、テキスト編集の段階で、たて組みのテキストを縦書きで入力することにより、このようなことが考慮されている案件は、後の校正もスムースにいく傾向があるように感じます。
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