11. ルビの指定
- 2013年11月08日
- 組版・DTP
組版の現場では、前例・見本に合わせればよいということが多いのか、入稿時にルビの具体的な指定を見ることは少なくなっています。新規で縦組みの書籍等でルビを付ける際、校正・校閲で細かい部分の指示をするという前提であっても、このあたりは組版作業に入る前に確認しておきたい、という項目があります。
1. ルビのフォント、サイズに指定があるか(規定値以外の場合)
2. ルビの位置:肩ツキ/中ツキ(親文字1字にルビ1字の場合)
3. ルビに小書きの仮名※1を使うか、すべてナミ字にするか
※1 |
小書きの仮名:拗音・促音の表記に使われる「ゃゅょ」「っ」等で、字面を小さくした文字のこと。以前は、捨て仮名、半音とも言った。活版活字には、鋳造・印刷に難があったのか、ルビ用の小書きの仮名は用意されていなかった。 |
ルビ文字は親文字と同じフォント※2で、文字サイズは1/2が基本ですが、そうしない場合は、指定または見本が必要です。見出しなど文字サイズが大きいものにルビを付ける場合は、同じフォント・1/2のサイズとすると、太すぎたり・大きすぎて見える場合があります。
モノルビ(熟語であっても、親文字毎にルビを対応させる方法)とする場合が多いですが、すべてグループルビ(対象の熟語全体にルビを均等に付ける方法:当て字や熟字訓の場合もこれにあたる)との指示をいただく場合もあります。老舗の出版社様の書籍の場合は、「モノルビ(一部、親文字の間にアキができるのを嫌って熟語ルビ)、肩ツキ、拗音・促音もナミ字」の場合が多いように感じますが、中ツキ・拗促音に小書きの仮名を使うものも結構あるようです。
ルビを親文字以外のかな等に掛ける場合は、ルビ1文字分とする場合が多いようです。また、ルビを付けない熟語外の漢字にルビを掛けることは、誤読を避けるためにできないことになっています。
※2 |
電算写植の流をくむモリサワのPro仕様のOpen Type Fontでは、ルビは親文字と同じフォントではなく、親文字の系列ごとに、同一のルビのフォントが定義されているようです(明朝系用、ゴシック系用、教科書体(学参)系用)。よってウェイトが変わってもルビのフォントは変わりません。InDesignのルビの指定で「Open Type Proのルビ字形を使用」にチェックすることにより、小さくても可読性を損なわないようにデザインされた(教科書体系用は少し太めになっています)ルビ専用の字形が使われます。 |
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