11. ルビの指定


組版の現場では、前例・見本に合わせればよいということが多いのか、入稿時にルビの具体的な指定を見ることは少なくなっています。新規で縦組みの書籍等でルビを付ける際、校正・校閲で細かい部分の指示をするという前提であっても、このあたりは組版作業に入る前に確認しておきたい、という項目があります。

1. ルビのフォント、サイズに指定があるか(規定値以外の場合)

2. ルビの位置:肩ツキ/中ツ(親文字1字にルビ1字の場合)

3. ルビに小書きの仮名※1を使うか、すべてナミ字にするか

※1

小書きの仮名:拗音・促音の表記に使われ「ゃゅょ「っ等で、字面を小さくした文字のこと。以前は、捨て仮名、半音とも言った。活版活字には、鋳造・印刷に難があったのか、ルビ用の小書きの仮名は用意されていなかった。

ルビ文字は親文字と同じフォント※2で、文字サイズは1/2が基本ですが、そうしない場合は、指定または見本が必要です。見出しなど文字サイズが大きいものにルビを付ける場合は、同じフォント・1/2のサイズとすると、太すぎたり・大きすぎて見える場合があります。

モノル(熟語であっても、親文字毎にルビを対応させる方法とする場合が多いですが、すべてグループル(対象の熟語全体にルビを均等に付ける方法:当て字や熟字訓の場合もこれにあたるとの指示をいただく場合もあります。老舗の出版社様の書籍の場合は「モノル(一部、親文字の間にアキができるのを嫌って熟語ルビ、肩ツキ、拗音・促音もナミ字の場合が多いように感じますが、中ツキ・拗促音に小書きの仮名を使うものも結構あるようです。

ルビを親文字以外のかな等に掛ける場合は、ルビ1文字分とする場合が多いようです。また、ルビを付けない熟語外の漢字にルビを掛けることは、誤読を避けるためにできないことになっています。

※2

電算写植の流をくむモリサワのPro仕様のOpen Type Fontでは、ルビは親文字と同じフォントではなく、親文字の系列ごとに、同一のルビのフォントが定義されているようで(明朝系用、ゴシック系用、教科書(学参系用。よってウェイトが変わってもルビのフォントは変わりません。InDesignのルビの指定「Open Type Proのルビ字形を使用にチェックすることにより、小さくても可読性を損なわないようにデザインされ(教科書体系用は少し太めになっていますルビ専用の字形が使われます。

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