12. 字間のアキの修正指示
- 2013年11月15日
- 校正
両端揃え(ジャスティファイ)を基本とする日本語の横組み組版において、欧文や約物・記号が行末にかかる場合の追い出し処理等で文字の間が大きくあいてしまい、見栄えが悪くなってしまうことがあります。段組・表組等の行長の短い場合に起こりやすくなります。この大きな字間のアキ(例えば、半角分以上のアキ)はなぜ発生し、どのような方法で解消されるのでしょうか。
[原 因] | 欧文がワード単位で追い出されるため |
[解消方法] | 追い出された欧文をハイフネーションして一部を前の行に追い込む、または約物前後等を詰めて欧文をワード単位で追い込む。全角で何文字分を追い込むか数えて指示します。文中にURL・数式・化学式など、長く・切りにくい(ハイフネーションできない)ものがあると調整が難しいこともあります。 |
[原 因] | 行末・行頭の禁則処理や分割禁止等で約物(括弧類等)や記号を含む文字列が追い出されるため |
[解消方法] | 句点(。)・読点(、)・中黒(・)の前後、括弧類(「 」( ))の前後等を詰めて、追い出された部分を追い込む。表組等では、適切な部分で改行して、切りのよい語句単位で追い出してもよい。 |
思い通りの校正結果を得るためには、字間のアキが発生している組版上の原因を見極めるとともに、本来何字詰の行で「全角何文字分」が追い出されて字間のアキが発生しているのかを、大まかに把握してから、約物の前後で詰める指示やハイフネーションでの追い込み指示を行うと確実です。あいている字間をベタ組にする(詰める)指示のみの場合は、どのように字間のアキを解消するかはオペレータまかせとなります。
追い込み指示の例
1行目:漢字が全角6文字+約物が全角2文字+欧文文字(フォント・文字によって文字幅が違うが、欧文2文字で全角1文字分でカウント)で、計全角約13文字分。
約全角7文字分を前の行に追い込む必要があるので、切りやすい欧文14文字分(Q数表で全角7文字分を計って、おおよそどこまで入るか確認してもよい)のところまで追い込む指示。
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