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105. 意図せずに組版が変わることへの対(ProofChecker PRO)


組版の仕事は、二十数年前の電算写植の時代から作業者が意図しない箇所で組版が変わる、というリスクと背中合わせで仕事をしています。かつて活版印刷からこの仕事に従事していた大先輩は「電(写植は信用ならない」と言っていました。一度きちんと組み上げたものが変わ(崩れるということに強い違和感を覚えていたのでしょう。組版ソフトの方もバージョンが上がるにつれて高機能になり、その分も含めていろいろな場面・理由で、赤(修正指示のない箇所が変わってしまうということが起こりえます。

たとえば、
◇複数の著者毎に入稿・組版する専門書で、初校と再校で別の担当(マシンが作業したところ、搭載されている欧文フォントTimesのバージョンの違いで、体裁が変わってしまった。

◇古いバージョンのDTPデータの改訂再版。今後もこの版で出版予定とのこと。将来の訂正のことも考慮し、InDesignのバージョンをあげて修正。当然、文字組が変わるところがでてくるので、ProofChecker PROで元のPDFと比較確認し、調整。

◇カタログ下版後に、製品型番の部分にWebページに飛ぶようにURLを付けたPDFの作成依頼。リンクを付ける箇所が多いので、既存のプログラムを走らせるためにInDesignのバージョンを下げると、下版時とは体裁が変わってしまう部分をProofChecker PROで元のPDFと比較確認し、調整。

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DTP作業者のポカミスだけではなく、様々な落とし穴がこの仕事には付きまといます。いままでは、人の手による“あおり校正”に頼っていたものを、デジタルでの校正にうまく置き換えることができると、作業効率UPとともに「赤字のない箇所が変わっていない」という、一段上の組版品質保証ができるようになるはずです。組版・DTP作業を受注の際に「赤字のない箇所に相違がないこと」を求められることもでてきました。

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