107. 校了って
- 2015年11月27日
- その他
もともと、“校正が完了”の短縮語の「校了」という言葉は、使われる場所・場面によってその意味が変わるものとなっていて、慣れていないと戸惑うことがあります。校了から下版までかなりの日数・作業項目がある、こんな予定表を見て、不思議に感じること自体が既におかしいのかもしれません。
印刷側が使う“校了”は、すべての赤字の直しを終え、もう全く訂正する必要がなく、印刷用の版を出力できる状態のことですが、出版社や編集プロダクションによっては、すべての赤字を入れ終えた段階でも校了(校了日)ということばが使われたりしています。予定表の「校了」の日に修正の赤字がたっぷり入った校正紙が戻り、その後にまだ白焼き校正があるというのは普通のことなのでしょう。
また、印刷側にデータを入稿することを「データ校了」ということもあり、誰が・どの段階の校正を完了したのかによって、いろいろな場面で同じことばが使われているようです。
同じことばを違う意味でも使う現場を繋ぐ役割の方々は、そのあたりのことを認識しつつ、場面によって「校了→入稿」と翻訳してあげる等すると、組版・DTPの現場で誤解が生じたりしないのかもしれません。
※このコラムおよび、コラム中の文章、画像、動画の無断転載および複製等の行為はご遠慮ください。