14. 筆順フォント
- 2013年11月29日
- 組版・DTP
小学国語の教科書や学習参考書(学参)で、かな・漢字の書き順を示すために使う、筆順フォントの使い方の概要です。
事前に、フォントメーカーがHP等で提供している、かな漢字変換用筆順辞書をことえり等に登録しておく。
1. 筆順を必要とする漢字をかな漢字変換で入力。
元字 書き順を示す文字 ・・・・(画数分の書き順を示す文字がすべてでてきます。13画の“福”という漢字だと、13個のエレメントが表示されます)
※ かな漢字変換の際の変換候補は、OSのシステムフォントで表示されるため、元字の後ろに他の漢字が画数分ずらずらと並んでしまいます。筆順フォントをあてておけば、変換確定後に正しく表示されます。
2. 原稿に従って、書き順を示す文字のうち、使う部分を選択(使わない部分を削除)する。
8画分等のスペースに合わせて、使わない部分を間引きます。
筆順フォントをインストールしたPCのWindows Excel等で編集することも可能です。
3. 筆順を整理したテキストをレイアウトソフトに読み込んで組版します。
筆順フォントには、
A:書き順を一画ずつバラバラ・順番に表示するもの
B:書き順を一画ずつ順番に増しながら表示するもの(上記の1. 2. 3. の手順はこちらのタイプ)
2タイプ用意されています。一画ずつ別々に色付け等をする場合はAのタイプ、だんだんと漢字が完成していくように見せるだけの場合はBのタイプを使用します。
以前は、「A:書き順を一画ずつバラバラ・順番に表示するもの」しかなかったようです。一画ずつを組み合わせて見せる必要があるため、少し複雑な組版ノウハウが必要でした。今でも、出版社様専用のフォントでは、書き順を一画ずつバラバラ・順番に表示するものが提供されることもあるようです。InDesignでは、先頭文字スタイル(または、正規表現スタイル)や字送り値・行送り値をコントロールして、少し複雑な組版で筆順を作成します。
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