112. 赤シート付き書籍の組版


暗記が必要な資格試験・検定向けの書籍には、赤シートが付いているものがあります。ポイントになる単語などの色文字を赤シートで隠して、墨文字を読みながら覚えていくものなので、隠しているつもりの文字が読めてしまってはいけません。

赤シート付きの書籍の多くは、墨+オレンジ(特色の2色刷です。シンプルなデザインで、隠すべき特色の文字や線がすべて白地の部分にあるのなら、なんら問題はないのですが、少し凝ったデザインで、墨網や特色と墨を混合した平網を多用するような場合は、組版・DTPで少し注意が必要になることがあります。

  白地に、色文字 → 赤シートで消えます。
  色網に、色文字 → 赤シートで消えます。
  墨網の上に、色文字 → 赤シートで消すには、色文字をノセにする必要があります。
抜き合わせでは、赤シートで色文字が見えなくなると墨網の抜けた部分が白抜き文字として見えてしまうのでNG。オレンジ色の濃度差は分からなくなるが、墨網の濃度差は見えてしま(背面が墨+特色の平網の場合も同様

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通常、墨網の上の色文字は抜き合わせにするもので(また、DTP側のノセの設定をすべて無視する運用をしている印刷所もあります。あえて色文字をノセとするには、DTP側でノセの設定とするだけでなく、製版側でDTPのノセの設定を取り込む処理を行う必要があります。よって、その旨を明確に指(告知することが大事になります。

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おまけ

赤シート付きの2色の書籍では、タイトル等の赤シートをかぶせても見せたい強調部分で“特色+墨”を混ぜた色を使うことがあります。多数のカラーパターンを使う場合には、人為的な色の設定ミスも起きやすく、後工程でミスを発見できるような工夫があると安心です。出力の現場では、墨+マゼンタで作成されたDTPデータから、インクジェットプリンタで出力する際に、M版を赤シートでほぼ消えるオレンジ色に変換して出力する仕組みがあります。これにより、赤シートで消えるかどうかの検査が可能になっています。

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