16. ナミ字に(並字に)
- 2013年12月13日
- 校正
組版の現場でときどき使う校正用語に、「ナミ字に」(“並みの字に”と言う意味)というものがあります。使う場面によって、何を何にするのかが違うので、知らないと何だろうとなります。
本文で強調するためにゴシック体等の太字にしていた部分を、明朝にする場合には、“明朝”、“”と書いてもよいのですが、画数も多く面倒なので、カタカナで「ナミ字に」と書くことがあります。 |
ゴシック系の細いフォントで、強調部分が同じファミリーの太いものになっているところで、細いフォントを具体的に「ヒラギノ角ゴ W2」のように指示することは繁雑なので、「ナミ字に」と指示するのが便利です。
その他、以下のような場合にも「ナミ字に」を使うことがあります。(ただし、→以下の、校正記号等を使う方が、間違いのないとされる指示になります)
● 拗促音に使う(っ・ゃ・ゅ・ょ、ッ・ャ・ュ・ョ等)を普通の大きさの文字にする。 ※ ルビで、拗音・促音の小書きの仮名が入っている部分を、「ナミ字に」と指示する場合があります。 → 横組みの場合、校正記号「普通の文字に直す」“”で指示。 |
● 欧文で、強調のためのイタリック体を立体(ローマン体)にする。 → 校正記号「立体に直す」“”、“”で指示。 |
● 縦・横に変形している文字(平体・長体)を正体にする。
→「正体に」と指示。
強調・変形していたものを、普通の状態にする時に使うのですが、その場面で、普通の状態とは何か?あいまいな部分を残す指示です。データを修正するオペレータが確実にわかる範囲で使うと便利な用語です。
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