17. イタリック体
- 2013年12月20日
- 組版・DTP
横組みの専門書や学術雑誌(紀要)等では、欧文の固有名詞等を強調する目的で、手書き風(筆記体)のイタリック体または、同じ字形の斜体(オブリークまたはスラントとも呼ぶ)が使われることがあります。
以下のような部分でイタリック体が使われるのを見かけます。
● 引用文献・参考文献リスト中の欧文で表記する外国雑誌名、外国書籍名等(何をイタリック体にするかは、色々流儀があるようです)
● 生物の学名
【例】チャノキ:Camellia sinensis (L.) Kuntze
【例】MRSA:Methicillin‐resistant Staphylococcus aureus:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
● 数式中の変数xyz、abc等
【例】y = ax + b、y = 2 x + 4
● 引用文等
原稿でイタリック体を指定する方法(記号)には、アンダーラインを1本引く方法がありますが、ワープロで作られる原稿はワープロ上でイタリック体にしたもの(立体を「 I(斜体)」ボタンで斜体にしたものを含む)で指示されることが多いようです。このワープロで斜体の属性がついたデータを、組版でも流用したいところですが、他のワープロ上の属性の要素も影響し、特定の場合を除き使われることは少ないようです。オペレータが原稿を見ながら、再度、スタイルを設定し直しています(イタリック体にする部分が多い場合には、事前に打ち合わせの上で可能な場合もあり得ます)。
Helvetica・Univers等のサンセリフ系の書体の場合には、イタリック体ではなく、同じ字形で斜体にしたものを強調の目的で使用します。同じ字形の斜体にする場合にも、組版指定では下線を引く方法、あるいは、あわせて「イタ」「イタリックに」と指示でかまいません。
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