120. ルビ付きテキストの組版


ルビがたくさん付く昔の小説の組版の依頼がありました。ルビ付きテキスト・データが支給され、見本となる文庫本のように組版するという案件です。

ルビの付け方には、まず「肩ツキ」か「中ツキ」かで、大きく違いがあります。一般的に、肩ツキは、熟語等では親文字の間をできるだけ空けない方向(⇒熟語中に3字のルビがある場合は、熟語としてのまとまりでルビを配置する:【例】興味きょうみ、中ツキは、厳密に親文字ごとにルビを対応させることが重視され(⇒熟語中に3字ルビがある場合は、親文字間にアキを入れる:【例】きょう ことが多いです。

今回の見本の文庫本は「肩ツキ(基本モノルビでした。支給されたテキスト・データでは、ルビが「親譲《おやゆず》り」のように、熟語単位でまとめて入力されているものでしたので、必要に応じてルビを1漢字ごとに分け(全角アキを入れて、モノルビとなるようにする作業が必要になりました。

《このように組版するために》
column_117

〓元のテキスト〓   〓親文字ごとにルビを分ける〓
親譲《おやゆず》り  ⇒   ママ(2字+2字ルビの熟語)
無鉄砲《むてっぽう》  ⇒   無鉄砲《む てっ ぽう》
小使《こづかい》  ⇒   ママ ※熟語ルビ扱い
奇麗《きれい》  ⇒   奇麗《き れい》
背戸《せど》  ⇒   背戸《せ ど》
勘太郎《かんたろう》  ⇒   勘太郎《かん た ろう》

※実際の作業では、ルビ付きのテキストをInDesignに取り込んでから、InDesignのルビの設定中で、上記と同等の作業を行いました。

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おまけ

同じ作品の電子書籍版では、ルビはモノルビではなく、熟語単位の肩ツキでした。電子書籍は、表示サイズによって行頭・行末の位置が変わるものなので、わざわざモノルビになるように制御すると、画面処理が遅くなる要因となることが嫌われるのか、いまのところは紙の文庫本のように肩ツキや中ツキの基本モノルビとは、しない方向となっているのでしょうか。

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