125. 拡大教科書の作成


年度末に中学校数学の拡大教科書作成を行いました。検定を経た教科書を原典として、短期間で校了まで終了する進行でした。そういえば、前回の改訂時には中学校国語の拡大教科書作成を行いました。

「拡大教科書」とは、弱視などの視覚障害がある児童・生徒が学習しやすいように、文字を大きく太くし、図版やイラストも拡大し、見やすくした教科書のことです。教科書出版社による市販拡大教科書と、ボランティア団体等が制作しているものがあるようです。

「拡大教科書」は、同じレイアウトのまま単純に判型だけ拡大するのではなく、原典となる教科書の1ページを、何ページかに分割して新たにレイアウトし直す方式で作成します。通常の教科書1ページの内容を4~5ページに分けて作ることもあり、何分冊かで作成されます。

検定教科書

拡大教科書
  

教科書出版社が拡大教科書をつくる際には、以下のような配慮がされます。

基本の文字サイズ・判型が、18ポイン(A5判、22ポイン(B5判、26ポイン(A4判の3種類。22ポイン(B5判を作成し、上下のサイズは拡(118%・縮(81%で対応する、のでしょうか。
明朝をゴシック系、丸ゴシック系のフォントに変更
分冊ごとの通しノンブルとは別に、原典教科書との対応関係が分かるように、「元のページ数-連番」の番号を付ける。例:
ルビを大きくする。親文字サイズの1/2以上にするので、原典教科書ではモノルビのもの⇒熟語全体でルビ付け等とする。
白抜き数字は、丸数字に変更。 
色網の白抜き文字は、墨文字にして色網の罫囲みに。
イラスト・写真で境界がはっきりしない部分などは、縁取りや線を入れる。

原典の教科書の内容で、拡大教科書作成の組版ルールに基づき作成しなければならないので、慣れが必要な仕事ではあります。

必要とされる部数が少ないため、POD印刷となることもあるようです。

*教科書発行者等による市販拡大教科書一覧【中学校用】
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/kakudai/1256604.htm

~つぶやき~
平成28年度用の中学校教科書改訂にともなう教科書や学習参考書の作成は、ほぼ終わったようです。次は、高等学校教科書の改訂ですか。その次の小学校の教科書改訂の時期まで、学参を多く扱う組版・DTP会社は仕事が薄めの日々となるのでしょうか。6学年分ある小学校の教科書改訂のシーズンには、あちらこちらで仕事が溢れ出す状況になるのですが。

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