128. 「挙」と「拳」
- 2016年05月27日
- 用字用語
“拳”を“挙”と直す修正指示を何回か見かけました。校正を専門の仕事としている方も見ているはずの出版物でも、こういう見落としはあるものです。
見た目がすごく似ている(手書きだとなおさら)ので、間違うことの多い文字として認識しておく必要のあるセットです。パソコンを使って文字を入力するのに慣れてしまうと、だんだんとその字の細かい成り立ちに意識がいかなくなり、打ち間違えたり、手で書けなくなってしまいます。
一般的な用語で、熟語単位できちんと読めていれば、誤変換のリスクは少ないはずです。しかし、一文字ずつ入力するときに、間違えることがあるのでしょう。専門用語の知識が少ないDTPの作業者は注意が必要です。また、よく携わる分野の仕事で、読めない熟語に出会ったときには、できるだけ読めるようにしておくのも必要なことかもしれません。
~おまけ~
ネットで、“こぶしあがり”の「拳上」で検索すると、「挙上(きょじょう)」の誤用では?と思われるものがいくつもヒットします。「拳上」で検索して、トップの方に「挙上」のものが並ぶとういうことは、「挙上」のつもりで、「拳上」と入れて検索して、「挙上」のものを選ぶ方がそれなりにいるということでしょうか?
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