135. フォントのライセンス製品
- 2016年07月26日
- その他
フォントはライセンスで契約して全部の書体が使えるもの、となって10年以上が経過しました。フォントは必要なものを購入するのではなく、年間で使用料を支払うものとなっています。電算写植の時代と同じような仕組みに戻ったということでしょう。その頃は、印画紙出力用の高解像度フォントを含む使用料として、毎月、ン十万円を払っていたはずです。1990年代・2000年代前半では、組版会社は、どのフォントを持っているか(=購入している)を書体ごとに見本帳で示していたものが、「MORISAWA PASSPORT」や「FONTWORKS LETS」のように、一言で済ませることができるようになりました。
しかし、2010~2012年に、モリサワ周辺でアライアンス締結、フォント事業の譲渡や子会社化等の再編が進み、少しややこしいことになりました。
《プレスリリース》
よって、主要フォントメーカー2社は、こんな感じです。
◆ | MORISAWA PASSPORT |
・ | モリサワのすべてのフォント 646書体 |
・ | ヒラギノフォント 105書体(こぶりなゴシック、かな書体も含む) |
・ | タイプバンクフォント 153書体(本明朝やナウなどの旧リョービ書体の一部を含む) |
など
※ | 別途、モリサワの子会社であるタイプバンクの「TypeBank PASSPORT」というのもある:タイプバンクOpenType 332書体、旧リョービ書体145書体等 |
◆FONTWORKS LETS
・フォントワークのすべてのフォント(筑紫書体等)
・白舟書体
など
※ | 別途、イワタLETS(ここの学参フォントが指定されることがある)、モトヤLETS、方正LETSもある。 |
(収録書体数は、2016年6月現在)
文京組版で契約しているのは、MORISAWA PASSPORTとFONTWORKS LETSのみです。
新規で組版をする際に、支給されたレイアウト見本のPDFの使用フォントで、例えば「TBUDゴシック」等のフォント名を見て、そのフォントが使えるのかどうかを、瞬時に答えることは難しいです。TB=タイプバンクフォントのうち、一部はMORISAWA PASSPORTに収録されていますが、すべてではないためです(ややこしいですね)。
※このコラムおよび、コラム中の文章、画像、動画の無断転載および複製等の行為はご遠慮ください。