138. 手書きの[ギ]ガンマ


健康診断で肝機能の状態を示す値のひとつ「ガンマGTP」などでみかけるガンマは、医療系の専門書ではギリシア文字の小文字「γ」が使われます。Wordの赤字直しの際に、ガンマグロブリンというカタカナ表記の「ガンマ」を「γ」とギリシア文字の小文字にする手書きの赤字で、一般的なフォントとは大分と違うようにみえる形状で書かれているものがあり、手が止まりまし(このかたちは、前にも見たことがあるような気がしました。筆記体の小文字・リットルのℓを逆さにしたような、下向きの魚のシンボルのようにも見えるかたちです。

ギリシア語の小文字のガンマは、フォントの形も微妙に違うものが色々あります。下側が“くるん”と小さくねじれているもの、いないものがあります。

フォントによっては、英語の小文字の r や v に似て見えるもの、英語の大文字のYに似て見えるものがあります。そんな小文字のガンマについて、語学書の記述をご紹介します⇒「小文字γは、ギリシア語の大文字Υに似ていますね。英語の v を書くような要領で、それよりもちょっと下をせばめて長めに伸ばし、一筆で書きます。(村田奈々子「ギリシア語のかたち《新版》」白水社、p.30、2013年)

上記の本には、下側の“くるん”となったところが、魚のシンボル風ほどではなく、より小さい逆さのリボンのように見えなくもない、お店の看板の文字「」の写真もありました。

本物のDr.が書く手書きのガンマ(γは、英語・小文字のエル「l」を「ℓ」と書くように、一筆で書くときにそんな形になることもあるもの、また、フォントのγも幾つかの形のパターンがあることを、組版やさんも覚えておいた方がよさそうです。

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