144. デシリットル(dL)
- 2016年10月14日
- 用字用語
小学2年生の「水のかさ」の授業で、「デシリットル」を習います。1リットル=○デシリットル?のような問題で、概念だけでは単位の変換を理解することがむずかしく、苦労する児童も多いようです(答え:1リットル=10デシリットル)。
deci- 「10分の1」の意味で、ラテン語が語源。
でも「デシリットル」って、ほとんど使われないよ、と小学生に説明していたところ、医学の専門書の校正では、「/dL」という表記をよく見ることになりました。糖尿病の専門書・専門誌では、血糖値の○○mg/dLという単位をよく見かけます。
一般的には、以下のような使われ方がされるのでしょうか。
《糖尿病のグレーゾーン》
・空腹時血糖値が80~110mg/dLの適正範囲を超えている
・随時血糖値が80~140mg/dLの適正範囲を超えている
・Hb A1c が6.0~6.4% ⇒ これだけでも、糖尿病予備軍の可能性が!
日常生活であまり見かけないデシリットルですが、栄養ドリンクには、ちょうど100 ml(=1 dL)のものがあります。1 dlと表記してもよさそうですが、日本では100 mlという表記が一般的です。
家にあるものでdlが使われているものがありました。白磁のミルクピッチャーに、「1 dl」の目盛がついています(底にはDenmarkの文字あり)。欧米では、dlが一般でも使われることもあるようです。
~おまけ~
教科書等だけでなく、専門書や専門誌でも、単位のリットルは大文字の立体Lとすることが多くなっています(数字の1との混同が心配ない場合は、小文字の立体lも見かけます)。以前はよく使われていた筆記体のℓは、使われなくなりました。ただし、ml などと、小文字エルにイタリック体が指定されることがあります。イタリック体は、変数等でも使われることがありますが、単位で l だけをイタリック体とするのは、ある分野で昔からの慣習が今でも残っているものなのかもしれません。
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