152. InDesign CS6をこれから5年間保持
- 2017年01月31日
- 組版・DTP
新規の引き合いで出版社様へ商談に行った際に、取引の条件として「InDesign CS6を5年間保持すること」が必要、というお話を伺いました。CS6は、2012年にリリースされてから、4年以上が経過しています。さらに、2017年1月現在で、すでに以下4つの上位バージョンが存在します。
InDesign CS6(Ver. 8.0):2012年5月リリース
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InDesign CC(Ver. 9.0):2013年6月リリース
InDesign CC 2014(Ver. 10.0):2014年6月リリース
InDesign CC 2015(Ver. 11.0):2015年6月リリース
InDesign CC 2017(Ver. 12.0):2016年11月リリース
(リリース時期は、アドビのニュースルーム・アーカイブのAdobe Creative Suite、Creative Cloudのプレスリリースを参照したもの。)
ここ2年くらいは、組版の現場でも新規の組版案件では、特別の指定がない限り「CS6」をメインで使っています。
これから5年の歳月は、短いようでそれなりに長いので、きちんと確認しておく必要がありそうです。5年後の2022年は、CS6のリリースからちょうど10年になりますが、現場の担当者に聞いてみると、インストールしているマシンの寿命で考えると、あと5年程度は大丈夫とのこと。メインで使うマシンではなくなっているのでしょうが、求めに応じて時々使う程度には動いているのでしょう。
今後は、「InDesign CC(Creative Cloud)」へ移行しなければならなくなります。しかし、買い切りでなく、月額いくらのライセンス契約(InDesign単体でも1ライセンスあたり約3.6万円/年間・税別)で毎年費用がかかることや、新しいバージョンはリリース当初に、不具合等が解決するまでRIPメーカーにサポートされないなどの問題が発生することもあり、どのタイミングでいくか考えどころではあります。Adobeが、Creative Cloudのライセンスで「InDesign CS6 も引き続きご利用いただくことが可能です」という経過措置を休止するときあたりが、転換点になるのかもしれません。
ただ、古いInDesignのデータを新しいバージョンで開いて作業することは、変更前・変更後のPDFを確実に比較するツール(ProofChecker Pro)で確認しつつ、手直しをすることにより、修正のない部分が意図せず変わってしまうリスクは、以前に比べて大分小さくなっています。これから5年の間に、作業効率等も考慮して、「必ず同じバージョンで」作業するという考え方も、変わってくるのかもしれません。
~おまけ~
出力の現場での、古いバージョンの対応状況(2017年1月現在)です。
・InDesign CS2(4.0):2005年7月リリース
そろそろ動くマシン(OS)がなくなります。改訂時には、上位バージョンに上げる必要があります。
・InDesign CS3(5.0):2007年6月リリース
まだ、動くマシン(OS)はありますが、リリースからほぼ10年が経過します。まだ改訂を続けるのであるならば、早めに上位バージョンに上げておくほうがよいでしょう。
・InDesign CS4(6.0):2008年12月リリース
昨年(2016年)には、このバージョンを保持して改訂修正の依頼をいただく案件もありました。2018年には、リリース10年目を迎えます。
DTPソフトの賞味期限は、リリースから10年(~15年前後が限界)あたりでしょうか。
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