155. 書籍JANコードの添字フォント
- 2017年03月21日
- その他
書籍JANコードの添字(目視文字)の数字が、OCR-Bではないフォントになっている校正紙を見て、「あれ!?」と違和感を覚えました。どのようなルールになっているのか、確認してみました。
回りの人に、「表4のバーコードの添字がOCR-B
日本図書コード管理センターの少し古い資料(参考:「日本図書コード(文字表現とバーコード表現)実施の手引き」改訂第8版 2007年5月、日本図書コード管理センター、pⅡ)によると、以下のようになっています。
◆ バーコード表記「書籍JANコード」
“バーコードの下の添字はJIS規格のOCR-Bを使用する。”
*「ISBNコード/日本図書コード/書籍JANコード利用の手引き ―2010年版 ホームページ版―」、p19、2015年では、“バーコード下の添え数字はOCR−BでJISに準拠”という記述。
◆ 文字コード表記「日本図書コード」
“書体 自由とする。ただしOCR-Bフォントは処理機器に不具合を起こす危険があるのでできる限り避ける。この手引書ではHelvetica 12級を使用した。”
(ややこしいことに、日本図書コードでは「できる限り避ける」とされているOCR-Bフォントを、使い続けている出版社もあるようです。)
また、準拠しているJIS規格(JIS-X-0507:2004)では“OCR-Bなどの明確に読み取れるフォントを使用する。”とフォントの限定はされていませんが、一般的なJANコードの添字でも、おおむねOCR-Bが使われているのでしょうか。
バーコードの横や下に別途表示する、ISBNコードを含む文字コード表記の「日本図書コード」のルールと、バーコード表記の「書籍JANコード」の添字のルールを混同してしまうことがあるのかもしれません。OCR-Bフォントを持たない環境でページアップされる可能性があるデータを支給するときには、文字をアウトライン化しておく、というのも1つの方法なのでしょう。
~おまけ~
日本図書コードの「価格コード」のルールで、“本体価格が10万円を超えるもの、及び非再販本は、00000とします。”というものがあります。
同じように、検定教科書の価格コードも“¥00000E”等となっています。
これは、最近の教科書の裏表紙等に印刷されている、「この教科書は、これからの日本を担う皆さんへの期待を込め、国民の税金によって無償で支給されています。大切に使いましょう」という、教科書無償給与制度の意義を伝えるための文言にもある、「無償で」を反映したものではなく、別の事情*によるもののようです。
*「Q9 教科書科書に定価の表示がないのはなぜですか。」(一社)教科書協会HPより
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