159. 学参フォント 漢字の違うとこ
- 2017年04月17日
- その他
生命保険会社からいただく卓上カードカレンダー(2017年版)のインデックスに「一年生~二年生」「二年生」とあり、裏返して見ると、いわゆる教育漢字(学年別漢字配当表:学年ごとに習う漢字の一覧)が掲載されていました。「二年生」あたりを眺めてみると、漢字にはフツーのゴシック体が使われているように見えました。漢字だけでは違いが分かりにくいのですが、教科書体や学参フォントから感じる違和感がない、ということです。大人が見るぶんには、まったく問題はないのですが。
なんとなく見た目でではなく、具体的にどの漢字のどの部分を見れば「それが学参フォントではない標準フォントである」と説明できるのか、資料に当たってみました。
学参フォントは、“文部科学省の「学習指導要領」にある「代表的な字形」に準拠したフォント”です。標準フォントは、伝統的な活字を元にしていて、書体によって異なるデザインなのを、学参フォントは、“普段書く文字とできるだけ同じ形になるように設計”されていて、「筆画」も視覚的に分かりやすいデザインになっています。児童の漢字学習の便宜を図った変更が、標準フォントに慣れた大人には違和感を生じさせることもあるようです。
学習参考書の出版社が発行する「漢字ポスター」等では、必ず学参フォントが使われます。そういうものを見慣れていると、同じような形式で標準フォントが使われていると、逆に変に見えてしまうのは、組版を生業にしている人だけの症状かもしれません。
《参考》
・フォント用語集:学参フォント
・学参フォント 収録教育漢字一覧:「学参製品に関する情報(PDF)」
~おまけ~
以下の漢字で、標準と学参フォントの違いが説明できれば、「通」かもしれません。
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