161. データって、何の!?
- 2017年04月20日
- その他
現場で「データって、何の!?」という会話や心の声が聞こえることがあります。会話の流れだけでは、それが何のデータを指しているのか、「まぁ、分からないよなぁ」ということもあります。「データお願い。」と言われても、どの仕事(得意先)の、どの進行のタイミングかによっても、それが指すものが変わる言葉でもあります。ポイントを押さえて、ほんの少しきちんと言えば、誤解を生むことはありません。また、次の工程で何をするかがイメージできていれば、何が必要か分かり、「○○のデータでいいですか」と確認のみで済むはずです。
組版の現場で扱うDTPまわりの「データ」が付く言葉は色々あります。
例えば、
・テキストデータ
・画像データ
・ネイティブデータ(DTPデータ)
・PDFデータ
具体的には、以下のようなものを、安易に「データ」と言ってしまうこともあります。しかし、実際にそのデータを作る人は、どういう設定にしたらよいか迷ったり、意図に合わず間違ったりすることもあるでしょう。
・校正用のトンボ付・単ページのPDF
・印刷用PDF/X-4のPDF
・文字をアウトライン化したIllustrator aiデータ
・InDesignのリンクファイル、欧文フォント等を含めてパッケージ化したデータ
(=ネイティブデータ一式)
・Photshopのpsd形式の画像データ
などなど(慣れていれば、下線部のみで通じます)
ツーカーと響くように仕事ができると気持ちの良いものですが、仕事はクイズではないはずです。正確に伝わるように言葉を選ぶ工夫も必要です。もちろん、良く知った間柄では、すべて省力して「じゃぁ(お願い)」くらいで、通じるかもしれません。
~おまけ~
そういえば、元々“データ”は、「立論・計算の基礎となる、既知のあるいは容認された事実・数値。資料。…」(広辞苑・第五版より)の意。(例文:その根拠をデータで示す)。手書きの統計結果などもデータで、必ずしもデジタルデータのみを示す言葉ではありません。でも、組版・DTPの世界では、そんな風にこの言葉を使うことは少ないのかもしれません。
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