26. 字形のデザイン差による異体字
- 2014年02月21日
- 用字用語
組版の現場では、DTPの作業で字形のデザイン差による異体字に変更するよう、以下のように指示されることがあります。
例:![]() ![]() |
校正者の仕事としては、『増補改訂 JIS漢字字典』(古いJIS2000に基づくものです)で赤字が入った元の漢字を調べ、修正指示のされた字形がJIS78字形として示されていることを確認し、OpenTypeフォントに搭載されているであろうことが分かれば、作業者に修正を依頼して終了です。
この字形がどのように使われているのか少し調べてみました。私鉄のHPでは、![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
常用漢字となった漢字で字体を変更することは、一部のまれな例(高 → ![]() |
そういえば、この字は、JIS78からJIS83で、字形が改められたものだったようです。NEC PC-9801(JIS78)では ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
時代の流れの中で字形が変わり、またもとに戻った漢字はたくさんありますが、以下のものをよく見かけます。
実用書・専門書・学習参考書を組版している限りにおいては、常用漢字の範囲のものが使われることが多いのか、字形の変更による問題にほとんど遭遇しませんが、固有名詞を多数使う名簿等では、注意が必要です。また、Windows XPのサポートが終了し古いタイプのフォントが使われることがなくなってくれば、徐々にこのような混乱もなくなっていくのかもしれません。
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