165. OCR-Bの字形
- 2017年05月26日
- その他
JANコードの差し替えをしている作業者から、既存のアウトライン化された添字(バーコードの下の数字)のOCR-Bと字形が違うが、かまわないか? と、質問がありました。
確かに前の字形は、先端が鋭角でなく、丸ゴシックのように丸くなっています。ためしに、社内にある印刷サンプルの書籍JANコードの添字をいくつか見てみると、こちらでもOCR-Bの角が丸い字形のものを見付けることができました。視力に難があり、数字の全体のフォルムを見てしまうので、エッジの部分はルーペを使わないと良く見えないのですが。
昔からDTPの仕事をしている人は、OCR-Bは何種類かのフォントがあるという印象をもっているようですが、そもそもJISで規定されているOCR-Bの字形が「2種類」ある、ときちんと認識しておいた方がよいかもしれません。
JIS X 9001-1976「光学式文字認識のための字形(英数字)」で使われている用語では、
・「非定線幅字形」……角が鋭角な方(こちらが一般的?)
・「一定線幅字形」……角が丸い方
という、線幅が一定かどうかを表した硬めの用語です。いつも拡大した画面を見ているDTP作業者と違って、全体のフォルムは一緒なので、目視でしか見ていないと、字形の違いに気が付きにくいかもしれません。
ただOCR-Bという指定の場合は、通常の角が鋭角なものでよいでしょうが、角が丸いものを意図するもので、OCR-B(一定線幅字形、角が丸いもの等)と指定されることもあるでしょう。また、Illustratorのプラグインでは、角の丸い一定線幅字形のOCR-Bフォントを使うものもあるようです。
ちなみに、2014年に埼玉県で交付された運転免許証の交付番号のOCR-Bは、角が鋭角な方でした。
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