29. 「ん」のローマ字
- 2014年03月14日
- 用字用語
DTPの仕事をしていると、校正の赤字で、慣れていない単語に適切な反応ができないことがあります。例えば、マネージャーと発音・表記すると記憶している人が多いものが、ある業界では〇〇マネジャーという表記だったり、企業名ではキヤノン、富士フイルム、キユーピーのように、発音するときは拗音(小さく「ゃ」「ゅ」「ょ」を加えて書き表す音節)でも、正式な企業名としての表記は小書きのカナを使わない、等ということは知らないときちんと対応できません。
日本語を含む多言語で作るパンフレット等の駅名・地名のローマ字表記でも、知らないとアレ?と思うことがあるようです。駅名のローマ字表記では、ひらがな表記が「ん」になるものは、「m」になるものと、「n」になるものがあります。
ヘボン式ローマ字で、以下のようなルールがあります。(JR駅名標、パスポートも基本的にこのヘボン式ローマ字)
子音 m・b・p(ま行・ば行・ぱ行)の前の「ん」は「m」とする
◆「m」になる例
新橋 しんばし Shimbashi
日本橋 にほんばし Nihombashi
新前橋 しんまえばし Shim-Maebashi
なんば Namba
◆「n」になる例
新宿 しんじゅく Shinjuku
神田 かんだ Kanda
「m」になるルールがあることを知らないと、なんとなく「n」じゃないの?となってしまいます。ただし、他のルールに基づくローマ字表記もあり、「ん」が地名や地名に基づく店名は「n」(例:Shinbashi、Nanba)が使われ、駅名標の「m」(例:Shimbashi、Namba)と混在して使われていることもあるようです。
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