32. OpenTypeフォントの三点リーダー
- 2014年04月04日
- 用字用語
日本語組版でよく使う三点リーダー「…」ですが、OpenTypeフォントが普通に使われるようになってから、少しややこしいことになっていたようです。
語学書の原稿の元になるWordファイルをWindows 7で作成している際に、以下のような事象に遭遇しました。
1.文章全体を選択して、MS明朝の書体をあてた。
2.同じく文章全体を選択して、(欧文のみフォントを変えるつもりで)centuryの書体をあてた。
3.その結果、以下の全角文字がMS明朝の字形とは違うものになった。
・・・ 三点リーダー → ...(ピリオドの位置の三点リーダー、実際は1文字分)
● 大きい黒丸 → ●(小さい黒丸)
□ 大きい白四角 → □(小さい白四角)
いまさらですが、全角文字なのに、なんで欧文フォントがあたっちゃうの!? ということです。
上記の例ではフォントが変わっただけで、実際DTPで組版をする際には、DTPで設定するフォントの字形どおりに出力するようにできるので、DTP用のテキストデータとして問題がないといえば問題ないのですが、このあたりの事情に明るくない方に渡すと混乱させてしまうかもしれません。
欧文フォントには、このように三点リーダーがピリオドの位置に字形がデザインされているもの「... 」と、日本語フォントと同じように、全角文字の天地センターに字形がデザインされているもの「・・・」があります。Webの世界でも、検索エンジンの検索結果画面では、ピリオドの位置に表示されていて、リンク元は天地センターだったりすることが普通に見られます。「三点リーダー」「真ん中」等で検索するとその原因を解説しているページを見られるようです。
(このコラムは、ここ数年組版の作業をしていない、かつ、日本語は2バイトフォント、欧文は1バイトフォントの時代から仕事をしているベテランの方向け。)
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