174. ベンゼン環の描き方(2パターン)
- 2017年08月09日
- その他
高校「化学」の学参もので、手書きの原稿等から、正六角形のベンゼン環を含む構造式を作図する仕事を一部お手伝いしました。
このベンゼン環の略記には2パターンあり、出版社によって流儀が異なることをきちんと認識せず、原稿の見た目に合わせて描いてしまい、初校の戻りの訂正指示で修正を求められました。
手元にある学参や専門書の印刷サンプルを見る限りでは、Aのくっつけないパターンを使っているのは、東京書籍、東京化学同人、Bのくっつけるパターンは、旺文社、実教出版でした。高校の教科書でも両方のパターンがあるようです(「高校の化学の教科書に出てくるベンゼン環の描き方 - Life + Chemistry」)。これは、出版社によって?流儀が異なるにもかかわらず、きっちり伝達されないこともありえる、当然の約束事なのかもしれません。
また、高校の化学の科目には、「化学基礎」と「化学」があり、それぞれで学ぶ内容が大きく異なっています。ベンゼン環を含む「有機化合物の性質と利用」を学習するのは、「化学」の方です。ベンゼン環をどちらのパターンで描くかを既存の印刷サンプルで確認するには、「化学基礎」ではなく、「化学」の方を見る必要があります。
この正六角形のベンゼン環は、むかし香料の総合雑誌の仕事をしているときに、よく見かけていました。社内では、亀の子(甲)などと呼ばれていました。
~おまけ~
化学(chemistry、バケガク)は、あまり馴染みがありませんでした。いままで関わった仕事のせまい範囲の中では、“化学”との関連を強く意識させられた分野は、香料・触媒・薬学くらいのものでした。
タレントさんを数名使いカジュアルな演出の、『NHK高校講座 化学基礎』が再放送されていました。ネットのNHK 高校講座ライブラリーでも動画が見られるようです。ただし、演出はカジュアルでも、内容はもちろん高度で難解です。
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