35. CIDとOpenTypeの数字・欧文の違い
- 2014年04月25日
- 組版・DTP
組版の現場でOpenTypeフォントを使うようになってそろそろ10年近くたつはずですが、今でもときどきCIDフォントからOpenTypeフォントに変更することにより数字の字形や組み体裁の変化が発生し、修正や説明が必要になることがあります。その原因は「全角の数字の変更」と「付属欧文の変更」です。
◆ 全角数字の変更
CIDでは見た目の字面は半角で全角分の幅(仮想ボディ)だったものが、OpenTypeで全角に近い幅の字面になった、「新ゴ」が特に大きく変わったように感じます(組み体裁には影響がありません)。
◆ 付属欧文の変更
「リュウミンL-KL」と「中ゴシックBBB」は、CIDでは付属欧文がTimes RomanとHelveticaだったものが、OpenTypeでオリジナルになり、欧文と数字の幅が少し広くなりました。「中ゴシックBBB」の数字は、CIDで半角に見えていたものが、OpenTypeで幅の広いプロポーショナル風なものに変わったことにより、字面の見た目だけでなく、行が増えたりして組み体裁も変わってしまう要因になっています。
※ その他のフォントについては、フォントメーカーのサイトの「NewCIDをOpenTypeに置き換えたらどうなる?」に掲載されています。
CIDからOpenTypeに変える場合、オリジナルの付属欧文を使わず、CIDで使われていたHelvetica等の欧文フォントを合成フォントで指定して、CIDフォント風の組版なんていうものも考える必要があるのかもしれません。
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