181. 文字化けの一種「とうふ」(.notdefグリフ)
- 2018年02月05日
- その他
高校で使うドリルのInDesignデータを、Wordで組み直す案件の校正をしていて、文字化けの一種「とうふ」をいくつか見かけました。これは、WebやスマホのメールやSNSでも日常的に見るものでもあります。それらには、機種依存文字的なものも含まれているのでしょう。そういえば、むかしむかしは、エンコードがあっていない日本語Webページや、アルファベットを使わない外国語(アラビア語等)のWebページは、ブラウザですべて「とうふ」になっていたような。
◆ | 「とうふ」の表示の種類(フォントによって、形が違うようです) | |
Windows 7のMicrosoft Word 2013の場合 |
データが作られたフォントのエンコーディング*と表示されるフォントのエンコーディングが異なるなどして、データとしての字体の固有番号(GID*)が見つからないときに、一時的にGID+0の .notdefグリフ*「とうふ」が使われる(ということでよいのでしょうか)。
DTPの世界では、InDesignからプリンタ出力やPDF書き出し(フォントの埋め込みを含む)をする際に、適切なフォントデータを見つけられない(フォントのフォルダに同じ名前の不適切なフォントがある)等、不具合の原因は様々ありそうです。組版の現場で出現してきた事例を紹介します。
◆ | 事例①(1~2年前): |
ある欧文フォントの一部が、InDesignから直接PSプリンタで出力すると「とうふ」に。 | |
→同じデータをPDF書き出しすると不具合が起きないことも。 |
◆ | 事例②(5~6年以上前?): |
InDesignにリンクして貼り込んだ、フォントを埋め込むにチェックをしたEPS中の欧文フォントの一部が、PSプリンタ出力時に「とうふ」に。 | |
→リンクファイルをAI形式に保存しなおすと、不具合が解消することも。 |
過去には、他にも数々の不具合の事例があったかと思われます。それらは、なんらかの理由でフォントの情報がうまく転送・埋め込まれていないことが原因だったのでしょう。その中には、不具合が再現しないもの(原因がよくわからないもの)もありました。原因をすべて明らかにすることが難しいのであれば、検査でつぶすことが必要になります。
Acrobatのプリフライトでは、印刷用に作成されたPDFに .notdefグリフ「とうふ」が含まれているかどうかを、検査できます。
プリフライトのプロファイルに、以下の項目を入れればチェックされます。
◆ | 文字は .notdefグリフを参照 |
(テキストには .notdefグリフにマップされた文字が含まれています。.notdefグリフは直接参照できませんが、存在しないグリフのプレースホルダーとして使用されます。) |
「文字は .notdefグリフを参照」とは、“文字が「とうふ」になっている”という意味です。何らかの不具合で文字化けが発生しているので、対処が必要であるということです。
*参考:フォント用語集|株式会社モリサワ
「GID/CID(Glyph ID/Character ID)」、「エンコーディング」、「文字コード」、「グリフ」、「CMap・cmap(Character Map)」
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