40. 全角ダーシ(ダッシュ)
- 2014年05月30日
- 用字用語
組版の現場で、全角のダーシ(ダッシュ)を修正する赤字を見かけることが多くなっています。校正の段階で赤字が入るのは、以下のような理由のようです。
・長さの違いのあるもので不統一になっている。
・ウェイトが少し太い書体の全角ダーシが少し太く見える。
・和文の文字の天地センターからダーシが少し下にずれている。
電算写植の時代から組版の仕事をしているコラム担当者は、全角ダーシって仮想ボディより少し短めのイメージで、2つ並べてもつながらないものと最近まで思っていました(電算写植では、つながらない“全角ダーシ”と、つなげるための“つなぎ罫”の2種類だったはずです)。今どきのOpenTypeフォントは仮想ボディいっぱいにデザインされていて、2つ並べてつながるものが多いようですが、フォントによってはつながらないものもあります。2倍ダーシとする場合に、1文字分を200%に変形する手法もあるようです。
フォントのデザインで、ウェイトにより少し太く見える全角ダーシについては、細く見せるために罫線素片のもの“ ”(U+2500)で代用することもあります。 |
また、Windows 7のWord 2013では、2種類の全角ダッシュが入力できます。
特殊文字で入力する全角ダッシュは、Wordでは欧文フォントのCenturyがあたり日本語の文字とならべると全角の天地センターより少し下にずれて見えます。また、書式なしのテキストに書き出そうとすると、警告がでて“?” に文字化けします。ただし、Word 97-2003文書なら、InDesingに読み込むことは可能です。これは、欧文用のemダッシュ(U+2014)になるので、和文と並べると天地センターにはなりません。日本語組版用の文字データとしては使わない方がいいようです。
《おまけ》
Webの世界では、[ーほ=]のキーで変換して入力する全角ダッシュが、emダッシュのように見えることがあります。
Windowsのパソコンで検索エンジンの入力フィールドに“―”([全]ダッシュ)を入力すると、表示されるフォントの設定のためか、“―”の位置が天地センターより少し下がって見えます。検索結果のリスト表示の中でも同じように見えます。
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