188. 簡体字の組版ルール(MORISAWA PASSPORT 英中韓組版ルールブック)
- 2018年05月01日
- 組版・DTP
北京、柏林、都柏林、利比里亚
中国語“簡体字の組版ルール”に関する、日本語で読める資料を探していて、何度か検索結果で目にしていた「MORISAWA PASSPORT 英中韓組版ルールブック」(冊子)を頂きました(WebでPDF版が配布されています。下記にリンク)。今まで、なんとなく分かっていたこと、知らなかったこと、色々勉強になりそうです。
日本語版の書籍やカタログを中国語版(簡体字)として作るとき等で、具体的な組版指定がないこともあるかと思います。そんなときに拠りどころとしたい、基本ルールの一部(理解できた、覚えておきたい部分)を要約してみます。
《簡体字の組版ルール》 | |
■ | 組み方向、行揃え、字間 |
・ | 組み方向:主流は「横組み」 |
・ | 行揃え:箱組みを基本とするので「均等揃え」 |
・ | 句読点は、ぶら下げではなく「追い込み」 |
・ | 文字間:基本的にべた組み。漢字と数字の間は四分アキ。 |
■ | 読みづらくない行長(段組みとすることも) |
・ | 1行の文字数が多いと漢字が続いて読みづらくなるので、書籍などで1段組の場合は、ノド・小口のアキを広く取って、1行の文字数を調整。段組みができる場合は、1段を20字前後とする。 |
■ | 行頭の字下げ |
・ | 段落の先頭は「2字下げ」(絶対的なルール)。 |
その他、約物に関する事項をいくつか。 | |
・ | 日本語で多く使う「 」(カギ括弧)や『 』(二重カギ括弧)は、ほとんど使われない。 |
・ | 句読点は「,。」(全角カンマと全角マル)を使う。また、公文書や論文などの場合は、句点に「.」を使うことも。 |
・ | 日本語では読点として使う「、」(全角テン)は、『北京、柏林、都柏林』(Běijīng, bólín, dūbólín)のように並列に列挙するときに使う。 |
・ | 中国語では「・」(中黒)は使わない。 |
・ | ( )内に入れ子で括弧を使う場合、内側の括弧には〈 〉を使う。 |
・ | 書籍の名前には《 》、強調には「“ ”」、会話には「“ ”」や「‘ ’」を使う。 |
・ | 「〒」マークは使わず、郵便番号は「邮编:XXX-XXXX」と表記。 |
《参考》
MORISAWA PASSPORT 英中韓組版ルールブック(タイ語含む)全ページPDF(30MB)
・ 中国語・簡体字(7MB)のみ
※別途、欧文、中国語・繁体字、韓国語、その他の言語、タイ語*のみのPDFも。
*タイ語は、印刷物の冊子には含まれていなかったもの。
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