235. SDGs(エス・ディー・ジーズ)です。
- 2019年10月21日
- その他
SDGs(持続可能な開発目標)と、突然言われても何のことやら。というのが、一般的な反応でしょうか。まだまだ、世間の認知度は低いようです。2015年の国連サミットで採択された、2016年から2030年まで15年間の、世界の未来を変えるための努力目標とか。
SDGsは、貧困を撲滅し、持続可能な世界を実現するために、17の目標(ゴール)とそれに紐づけられた169のターゲットからなる「持続可能な開発目標」を掲げています。
※17の目標と169のターゲットについては、下記の〔参考〕の資料等を参照ください。
〔参考〕 | 我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ〔仮訳〕(PDF形式・36頁・2015年9月25日第70回国連総会で採択)、外務省 |
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〔参考〕 | 169のターゲットの「指標仮訳」、総務省 |
◆ SDGsの理念
・ | 発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、取り組みの過程で地球上の「誰一人取り残さない-No one will be left behind」 |
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・ | SDGsの目標(ゴール)とターゲットは「統合され、不可分のもの」であり、①環境保護・②経済成長・③社会の持続可能な開発の三側面のバランスがとれ、統合された形で達成する。 |
・ | 持続可能な開発のキーワードとして、「5つのP」を掲げる。 |
①People〔人間〕 あらゆる形態の貧困と飢餓に終止符を打ち、尊厳と平等を確保する |
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②Planet〔地球〕 将来の世代のために、地球の天然資源と気候を守る |
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③Prosperity〔豊かさ・繁栄〕 自然と調和した、豊かで充実した生活を確保する |
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④Peace〔平和〕 平和で公正、かつ包摂的な社会を育てる |
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⑤Partnership〔パートナーシップ〕 確かなグローバル・パートナーシップを通じ、 |
◆ SDGsの具体例
例えば、目標5のアイコン内のキャッチコピーは「ジェンダー平等を実現しよう」ですが、目標5の英文「Achieve gender equality and empower all women and girls」の和訳は「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」で、5.1~5.cの9つの具体的なターゲットにグローバル指標や定義があります。以下の一例のようなものです。
【ターゲット】 | ||||
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5.5 | 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。 | |||
【グローバル指標】 | ||||
5.5.1 | (省略) | |||
5.5.2 | 管理職に占める女性の割合 | |||
【定義】 | ||||
管理的職業従事者*に占める女性の割合。 | ||||
* | 管理的職業従事者:事業経営方針の決定・経営方針に基づく執行計画の樹立・作業の監督・統制など、経営体の全般又は課(課相当を含む)以上の内部組織の経営・管理に従事するものをいう。国・地方公共団体の各機関の公選された公務員も含まれる。 | |||
【詳細集計】
詳細集計 Disaggregation |
単位 Unit |
2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 |
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― | % | 10.6 | 11.5 | 11.1 | 11.2 | 11.3 | 12.5 | 13.0 | 13.2 | 14.9 |
※ | ただし、グローバル指標によっては、まだ「国際的な合意を得た定義又は算出方法が国連から公表されていない」「現在、提供できるデータはありません」というものもあるようです。 |
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〔参考〕 | SDGグローバル指標(SDG Indicators)、JAPAN SDGs Action Platform、外務省 |
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印刷会社では、すでにCSRの発展として2017年・2018年頃よりSDGsに取り組んでいる会社も多数あるようです。中小企業では、まずSDGsを知るところから始める必要がありそうです。できるところからはじめて、ゆくゆくは、SDGsの目標につながる製品やサービスの開発や、人権・環境・労働等への配慮、それらにより、自社・取引先・仕入先の企業価値を高め、社会貢献を利益に変える道につなげることが、目標(ゴール)となるのでしょうか。
~おまけ~
世界のSDGs達成度ランキングというのが毎年発表されているそうです。2019年の日本は162カ国中15位。個別のゴール別では、目標5(ジェンダー)、目標12(つくる責任つかう責任)、目標13(気候変動)、目標17(パートナーシップ)の達成度が低い評価のようです。
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