234. タテ組みの欧字の向きをどうするか
- 2019年10月01日
- 組版・DTP
組版の現場では、専門書・実用書や学習参考書などのヨコ組みの案件が多くなっていて、(編集者が入らない、具体的な指定のない)タテ組みの案件があると、さて、欧字をどう組む!?となることがあります。
タテ組みの欧字の向きをどうするかは、原稿内容により、おおむね以下の3パターンになるかと思われます。
1.欧字を横向きに
2.欧字を1字1字縦向きに
3.(一定のルールに従い)欧字を、1字1字縦向き、横向きを使い分け
「1字1字縦向き」のパターンは、縦組みの業界新聞などで見ることのできるものでしょうか(昔は、「1字1字縦向き」にするには、全角の欧字にすることがスタンダードだったはずですが、InDesignには、「縦組み中の欧文回転」という機能があり、段落スタイルにこれを設定しておくと、自動的に半角の欧字も縦向きにすることができるようです)。長い英語表記の製品名もすべてこのパターンで組まれているものでは、見慣れない製品名や単語だと、読む速度が遅くなるものです。また、単語の途中での改行もあるので、読みづらさはさらに増します。
「横向き」のパターンを基本とするにしても、EU、WHOなど3~4文字程度の略語・頭字語は、「1字1字縦向き」の方が見慣れたものでしょう。なので、1冊の書籍や1つの論文内でも、「横向きに」と「1字1字縦向きに」を、一定のルールに従って使い分けることが必要になります。例えば、「欧字1字の場合(Q、A等)と大文字で構成される3~4文字程度の略語・頭字語を縦向き、その他を横向きに」とする等です。編集者によって、好みの分かれるところではあるのかもしれません。
参考:「縦組に挿入する欧字の向き」【日本語組版とつきあう5】(JAGATサイト)、
小林 敏
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