247. ニを二と打ち間違え:1字で変換!?
- 2020年04月30日
- その他
ユ二バーサルスタジオジャパン(USJ)
自宅の2020年版の読むカレンダーに、こんな誤植がありました。そういえば、カタカナ「ニ」であるべきところに、漢数字「二」が入っているのを、内校正の時にも何回か見たことがあります。
「ゆにばーさるすたじおじゃぱん」とすべて入力してから変換キーを押せば、誤植の発生する余地はないはずですが、ユビバーサルスタジオジャパンなどと、誤入力した後に、間違った1文字だけを「に」の1字で変換して、誤った文字を入力してしまうことがあるのでしょうか。
「に」の1字で変換キーを押すと、過去の変換履歴にもよりますが、以下のようになるのでしょうか。変換候補の右側に[漢数字]や[全][カナ]とあっても、左側の二やニしか目に入らないのかもしれません(カタカナに変換するファンクションキーを押す癖のある方には、あり得ないケアレスミスではあります)。
Wordデータをプリントして校正しても、MSゴシックなどで印字している場合は、下記のように、誤植を判別することは、なかなか難しそうです。
(上行がカタカナ、下行が漢数字)
カタカナ「ニ」を漢数字「二」にして、「ユ二バーサルスタジオジャパン」で、“語順も含め完全一致”でGoogle検索すると、数ページにわたる検索結果となります。それなりに、ありふれた誤表記のようです。古い変換ソフトで誤った使い方をするなど、何か根源的な原因があるのでしょうか(謎)。
~おまけ~
毎日新聞 校閲センターtwitterの校閲クイズ(2020年4月22日)で、「億円」であるべきところが「憶円」となっている、というのがありました。「にんべん」が「りっしんべん」となる誤植は、プロの校正者でも見逃してしまうこともある、発見の難しいものです。
これは、(仮説ではありますが)憶測の「憶」を、以前に「おく」で漢字1字として変換したものが学習されていて、「おくえん」と入力したときに、「おく⇒憶」で「憶円」と変換されてしまう(また、その変換結果を確定してしまうと、「憶円」の熟語も、「おくえん」の変換候補として学習されてしまう)、ということがあるのかもしれません。かな漢字変換は文節以上の長さで(1字での変換は危険)、というのが誤表記をなくすうえで必須な習慣なのでしょうか。
※このコラムおよび、コラム中の文章、画像、動画の無断転載および複製等の行為はご遠慮ください。