248. アタリ罫


アタリアタリケイのアタリを漢字で書く「当りいくつかある意味のうち辞書的に「てがかり。目あて該当するのでしょう。今どき当り「くじなどにあたるこ(←→はずれの意味で使うイメージの言葉であるためかアタリ罫を初めて聞くと???となるようです。

その昔オフセット印刷のいち工程として版下を作っていたこ(DTPの前時代写真を貼り込む位置や大きさを正確に示すために墨色でアタリ罫が書かれました。版下に引かれたアタリ罫は次の製版工程―集版で写真等の貼り込み位置として使ったあとは消されるのが基本でした。一般的に角版の写真はバック境界が淡く境目がはっきりしない場(“ケイイキ”と指定を除き墨罫で囲むことはないためです。

DTPでも写真データが後送となる場合には位置と大きさを示すために罫囲(または墨アミがアタリとして使われます。写真データを入稿する際にはそれがアタリ罫であることを明示した方が丁寧な指定となります。

アタリ罫とすることを組版指示や校正指示ではケイアタリアタリと書くこともあります。

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◆関連する使わなくなった用語

アタリ画像:見本として仮に貼っておく解像度の低い画像←→本画像高解像度画像。

写植:しゃしょく字の略;ガラス板の文字盤により写真の原理で印画紙に印字する手動写植機で書体・級数・1行何文字・行間何歯の指定によって棒組をするもの。1980年代半ば頃よりページ組が可能な電算写植も使用された。今ではマンガのフキダシに入れる手書きのセリ(ネームデータ化したものを指す言葉として受け継がれている。

版下:はんした;レイアウト通りに段ごとに棒組した写(印画紙版下台紙に貼り込んで作成するもの。罫線は製図用ペンで手書きされた時代もあった。写真の部分はアタリ罫の中に写真のラフを手書きで書いたトレッシングペーパーや写真のモノクロコピーを貼っていた。

製版:せいはん;アナログ製版とも;写真原稿をドラムスキャナで色分解しCMYK各版の網点フィルムを作成し版下をカメラ撮りした製版フィル(色数分へ合成して集版し刷版を焼くための製版フィルムを作成する工程。

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