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269. モリサワ OpenTypeフォントの共同開発で株式会社写研と合(2021年01月18日


モリサワのプレスリリース:https://www.morisawa.co.jp/about/news/5280

このニュース、若い世代は写研(しゃけん)って何ですか?というところからでしょう(⇒Wikipedia)。1980年代~1990年代の東京都文京区の組版の現場の周りでは、手動および電算の写植といえば、写研が主流でした(「東の写研、西のモリサワ」「書体の写研、機械のモリサワ」と、言われていたようです)。書体の指定も「MM-A-OKL」と暗号のようなもので行われていました。その後、DTPの黎明期(1995年-2000年台前半頃?)には、DTPでは使えないのにもかかわらず、それまでスタンダードだった写研の書体名で指定がされることもありました。それを、モリサワのPostScriptフォントに読み換えて組版することが、暗黙のルールでした。

DTP黎明期の和文フォントは、モリサワの数書体のみで、様々なバリエーションを持つ高品位な写研書体を使ってきたデザイナーは、モリサワの日本語ポストスクリプトフォントにこころもとないものを感じていたのでしょうか。その後、文京組版の周りのデザイナーの方々は、本文・見出し書体としては、ヒラギノ(写研から独立された鈴木勉氏らが設立した字游工房が開発に関わった;大日本スクリーン製)や、筑紫(つくし)明朝(写研から移られた藤田重信氏デザイン;フォントワークス製)などを選ぶようになっていきました。21世紀になり、すでに写研の書体を使いたい!という方は、絶滅危惧種となっているのでしょうか。

ある意味レガシー感(昭和テイスト?)たっぷりの写研書体です。具体的にはどの書体からリリースという発表はまだですが、本蘭明朝やゴナ、ナール等がOpenTypeとなって復活するという話なのでしょうか。しかし、実務の現場では、懐かしいと感じる人の方が少数派となっているはずです。この21世紀において、若い世代にどんな使われ方をするのか、こうご期待ですね。

リリース予定の2024年以後、

いま一般的な

・モリサワパスポート

・フォントワークスLETS

(学参ではイワタLETSも)

に、写研OpneTypeフォントのサブスクが加わる時代が来るのでしょうか?

 

~おまけ~

組版の現場では、写研指定の組版の仕事がなくなってから、すでに15年ほどたつのでしょうか。しかし、Webで調べた限りでは、東京都内には、まだ写研システムが稼働していそうなところはあるようですね(近隣では、文京区のS社、新宿区のT社、その他、江東区、荒川区、千代田区の印刷会社)。

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