196. QuarkXPress 3.3J・4.1J対応を終了
- 2018年07月11日
- その他
このたび、出力の現場では、QuarkXPressの対応を完全に終了とさせていただきました(それなりに頑張った方でしょうか)。最近のバージョンの設備はもともとしていないので、今後QuarkXPressはすべて未対応で、印刷用PDF入稿のみとなります。
「ほとんどのDTP作業者がQuarkXPressを扱った経験がない」、「対応マシンを複数台確保できない」、「お客様の求める品質・価格・納期を維持できない」等が、再版時の修正を含めて、入稿データとしての対応を終了する理由となります。2年半くらい前の記事「104.QuarkXPressで作られた書籍の再版」を書いたころは、まだ、OS 9でQuarkXPress 4.1J等が動くMacで、「これはInDesignと比べてしまうと恐ろしく効率が悪いよねー」、といいながら、ほそぼそと対応していたのですが(もちろん、InDesignで作り直す際の納期・費用と相談・ご提案をしながら)。
今でも、15年くらい前(2000年代前半)のQuarkXPressで作っていたものを再版したい、というお問い合わせをいただくことも稀にあるようですが、基本的にInDesignでの作り直しをおすすめすることになります。
古いQuarkXPressのデータをInDesignに移植する際は、
・CIDフォントをOpenTypeフォントに置き換え(欧文や数字の字形が変わります)
・丸数字等で使われていたBiblos外字フォントの置き換え
・表組の組み直し
・段落スタイル等の付け直し など
の作業が必要となります。
また、QuarkXPressの文字組の設定(ツメ組、約物、禁則処理など)によっては、ぴったり同じに組むのは、簡単ではなく、手間がかかりすぎる等々、行数やページ数の増減を意識しながらの作業となり、それなりに手間がかかります(新規組版に近い費用がかかることもあり得ます)。また、変換前のPDFが用意できる場合は、変換による誤植等がないか、Proof Checker PROで変換後のPDFとのデジタル検査も行います。
まだ何回か再版する予定の出版物であるならば、どちらにせよコストのかかるものではあるので、そのタイミングでデザインを一新して作り直す、という決断をするのが最善ということもありそうです。
~おまけ~
同じように、なくなりつつあるものに、アナログ製版フィルムの修正・青焼き・アナログ刷版があります。東京都内(文京区・新宿区界隈)でも、そろそろ普通にはできなくなりつつあるのでしょうか。「近所の大手もやめた」という話も聞こえてきます。希少価値が上がり、頼めるところが減り、値段がさらに上がる(最終?)段階に入りそうです。
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