221. ギチギチな総ルビ組版
- 2019年03月28日
- 組版・DTP
小学生の作文を集めたA5判小冊子の冒頭に、市長と教育長の挨拶文が、(小学生も読めるようにとの配慮でしょう)すべての漢字にルビを付けて(⇒総ルビ)、各1ページずつで掲載されていました。残念なことに、ほぼ行間=ルビサイズの普段決して見ることのないギチギチな組版で、読むことが困難なものになっていました。どうしても読まなければいけない立場であるのなら、長形3号封筒等で次行以後を隠し、1行ずつ集中して見えるようにする工夫(文字入力やごちゃごちゃした赤字直しをするときに行います)が必要になりそうです。
◆組版サンプル |
〔文字13.5Q×50倍、行送り21H(行間7.5Q)〕 |
読むことが困難。 |
〔文字15Q×45倍、行送り27H(行間12H)〕 |
こうすると、少し読みやすくなります。 |
出版物作成に慣れていない一般の方々が編集をされる案件では、組版サイドからアドバイスすることも必要です。これはないなー、というのは分かるはずです。伝え方が難しいこともあるかもしれませんが、「ここは、文字サイズを大きく、行間を広くして、各2頁にすると読みやすくなりますよ」と伝えることが必要な案件ですね。普通なら読み飛ばされそうなページを、読んでくれる人を一人でも増やすためにも。
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